「では病室にご案内いたします」

と、クラークが私のスーツケースを

引いて歩き出した。

ホテルの部屋に案内されるのと

同じノリなのが何となく可笑しい。

違うのは、スピード。

キョロキョロしていたら置いていかれる。

通されたのは6人部屋。

しかも3並びの真ん中。

うーん、そうか〜。

お隣のおばあちゃまのイビキ…。

まじか〜…。


入院の事前確認の時、私は

「絶対にトイレ付き個室!」と希望。

しかし

「コロナ患者受け入れ中により現在、

 病室の希望は受け付けておりません」

「当日までどちらになるか分からない」

と。

そうなの〜?

じゃあなんで今、料金表まで出して

希望を聞いたのさ?

「一応皆様のご意向は確認しています」

まあ、ベッド調整も大変なんだろうな。


実は入院が決まった時点で保険の担当者に

入院手術の内容を伝え、

「今回のご入院ではお金の心配は

なさらなくても大丈夫ですよ(^^)」

と実費予想と補償総額の計算を

してもらっていた。

保険ありがたい、って初めて思った。


トイレ付きの個室がいいな〜。

お腹痛くて腹圧かけられなくて

ただでさえ便秘しそうなのに

ゆっくり座って占領するとか

きっと周りが気になるし…

もし、隣の人がそう言ったら

「それはお互い様だからいいのよ」

って自分はきっと言うけど。

トイレまで遠いのも厄介だな〜。

それに

ビジネスホテルでは時々、隣室の気配で

目が覚めるくらいなのにな…。

両隣に人がいるって、眠れないだろな。

うーん、仕方ないか。


あからさまに、顔に出ていたかも。

「大変、申し訳ございません。

午後には個室が開く予定なので、

それまではこちらのベッドで

お休みください。

お荷物も解いて頂いて結構ですよ。」

と。…そんなことってあるのね。

私「あちこち使うのも申し訳ないし、

それまでロビーでも平気ですよ。」

クラーク「それですと、昼食もロビーで

お召し上がり頂く事に…(困り顔)」

私「あ、それは相当目立つね。」


個室にして頂けるなら喜んで

皆様の言う通りに致します。


とはいえ、私も庶民の端くれ。

個室と分かった途端、逆転して

「もし、大部屋だと?どれだけ浮く?」

と電卓を叩きだす。

…ここで我慢すれば、アジア圏なら

夫婦で旅行に行けたな。ちょっと惜しいな。

でもやっぱり個室でお願いします。