あれは夏に差し掛かった頃だった。
母校の大学から届いた一通の便りには「東北応援ツアー」の文字が大きく書かれていた。
震災以降、何度かボランティアで東北へ行こうとしたものの、如何せん関西からは距離が遠すぎてなかなか週末だけでどうこうというのは難しかった。
と、それは言い訳にすぎない。とにかく自分の意志に行動力が伴わなかった。
それは私が3.11の直接的被害を受けていないからだろうか。
とにかく今しかないと思った。
少なくとも今の弱い自分にはこういう企画に乗っかることでしか自分の意志を実現できなかった。
人数制限もあったが、私の不徳の致すところを察してか無事に抽選を通過した。
東北応援ツアーとは何か。
これは被災地に実際に足を運び、被災者の方との交流を通して学ぶ。
そしてその中で少しでも活性化に貢献するという趣旨のもと、立命館大学が主催した復興支援事業の一つである。東北に住む校友(卒業生)の力をお借りして成り立っているものである。
当初一緒に行く予定だった友人が急遽行けなくなり、サークルの後輩に声をかけた。
彼は最初迷っていた。被災地の人にどう向き合っていいかわからない、と。
それは私も同じだった、しかし今向き合わずしていつ向き合うのだと半強制的に誘い込んだ。
金曜の夜、夜行バスで福島は郡山へ向かった。
約10時間、驚くべきことにそのほとんどを睡眠に充てることができた。
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