leftover~じいちゃんとの充実した飲み会~ | Looking Back , Moving Forward

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前に進むために振り返ります。冷静に情熱的に。日常のこと、旅行記、競馬、映画、ドラマ、レビューなど欲張って書いてます。

うちのじいちゃんはかっこいい。そして賢い。
なんていうか、勉学的なものじゃなくて人間として賢いと思う。
単純に考え方が若いっていうレベルじゃなくて、思考が深い。
先週、ハイボールを飲もうと言われて一緒に飲んだ。5時間ぐらい喋ったかな。
色んな話をしたけど、特に印象的だった話題をメモ的に。

★leftover
ホテルマンだったじいちゃんは残飯をよく食べていたらしい。
当時、それを残飯と呼ばず、leftoverと呼んでいたみたいで、こんな話でも聞かんかったら人生で聞くとがなかった英単語なのかなーと少し感激した。

ちなみに当時の生活は大変だったが実に楽しかったそうだ。
朝は早くて夜は遅く、土日の休みもない毎日だったけど、モーニングの片付けがひと通り終わると琵琶湖へヨットへ繰り出していたそう。夕方に帰ってきて夕食の準備にかかっていたみたい。何とも羨ましい!
ホテルのバーテンをやってた時はお客さんのボトルの残りを集めて仕事終わりに飲んでいたそう。
じいちゃんの酒好きの原点はここにある。


★誘惑に乗って楽しむ

病気してからは自分の部屋にこもりっきりのじいちゃん。
やっぱり楽しみはTVだそうだ。TVで色んなものが宣伝されると色々と試したくなるみたいで、
今回のヒゲのハイボール飲みのあのCMに影響されてだろう。
しかし、影響されている、宣伝に乗らされていると考えるのではなくて、誘惑に乗って楽しむと日頃から考えているらしい。
なんかわからんけど、かっけーと思った。(笑)
冷静なポジティブ?


★個性の埋没その1~Twitterの影響~

ツイッターで遍く広く意見や情報を求めることができるのは画期的なことやけど、
その反面色んな情報に触れることで個性が埋没していくんじゃないか。
これは難しい問題。答えはないけど、ツイッターが生活の一部になっている人はこの視点は押さえていく必要があると思う。
にしても携帯もPCも使わないじいちゃんの口からフォローとかクラウドとかいう言葉が出てきた時はさすがに焦った(笑)

★個性の埋没その2~自分探しの旅~

自分探しの旅、という言葉をよく聞くけど、あれはおかしいと祖父は言う。
自分はどこにもいない。ここにいるやろ。
思わず笑ってしまったが、確かに真理だ。
いつもと違う環境で本当の自分を発見できることはあると僕は思っているので、自分探しの旅を否定はしないし、まぁそもそも本気でこの言葉を使ってる人なんてほぼいないわけやし。
ただ、まず外に答えを見出すんじゃなくて内に問いかけ真剣に考えるという意味で非常に頷ける。


★年齢と音の関係

じいちゃんは大のジャズ好きだ。13歳から本格的に聞き出していたというから驚き。
ちょっと前まではレコード、最近まではボーズのCDプレイヤーでジャズを楽しんでいたが、
最近はあまり楽しめなくなってきているらしい。音が尖って聞こえるらしい。
これは年老いてある音が聞こえなくなるために起こる現象なのか、それともある音だけに聴覚が敏感に反応して起こる現象なのか。じいちゃんは前者説、後者は僕の説。
ちなみに前者における許容度のようなものを英語でlatitudeと言うらしい。また英語を教わった。
どちらにせよ、大好きなジャズを楽しく聴けなくなってしまったじいちゃんの顔は少し寂しそうだった。


★死神が自分を追い越していった

じいちゃんは80歳を超えて死について語ることが多くなった。
周りの元気だった友人が先に死んでいき、酒もタバコも大好きでひ弱な自分が生き残っているのか。
死神っていうものは後ろから追いかけてきて、どこで捕まえられるか。
酒やらタバコやらの誘惑に足を止めていたらその分捕まるのが早くなる。
そう考えてきたそうだが、最近どうやらおかしいと思い出してきたそうだ。その考えでいけば自分はとっくに死んでいると。死神は他の誰かを間違えて食って、もう自分の先に行ってしまったと。
なんともおもしろくてじいちゃんらしい世界観だなーと思った。
僕はあとどれだけの時間をじいちゃんと過ごせるのだろう。死神さん、頼むから振り返らないでくれ。