今日朝起きた時、衝撃的なニュースが飛び込んできた。

 

その話をする前に、皆さんは脳外科医竹田くんをご存じでしょうか?

 

検索すれば出てきますが、こちらをご参照いただければと思います。

 

 

 

簡単に言えば、脳外科医であった竹田くん(竹田くんは仮名ですが、色々調べると本名も分かります)が訴訟事例を含む複数の医療事故を起こしたいわゆるリピーター医師で、恐らく関係者と思われるノンフィクション漫画の内容があまりに衝撃的で、昨年非常に話題になりました。

 

そちらについては私は脳外科医ではないため、技術的な点は分からないのですが、実際に多くの問題が生じたことは認定されております。

 

その竹田くんが大阪の病院で救急をやっていることは、すでにネットの情報で明らかとなっていました。

 

竹田くんの連載も一度打ち切りになって、私の中でもちょっと忘れかけていました。

 

そんな中、こんなニュースが飛び込んできました。

 

 

このニュースを見て、90歳で透析が出来なかったために訴訟を起こす家族はおかしいという意見がSNSで乱立しておりました。

 

しかし、私はこのニュースを見てそうは思わず、非常に不可解でした。

 

なぜなら、このニュースの内容だけであれば、普通はトラブルになることは考えにくい内容だったからです。

 

90歳で維持透析を行っていた方がコロナにより転院になるのは、昨年1月の状況であれば確かにそうなのだろうが、この内容だとあくまで陽性というだけで、隔離目的という意味合いだったように思います。

 

普通維持透析を行っている方の転院であれば、透析情報は必ず転院先に転院と同時に持参されるか、ファックスされます。

 

そして通常であれば、透析室間でそのやり取りが行われているはずです。

 

にもかかわらず透析が行われないのであれば、例えば血圧が低すぎるなど全身状態が悪かったり、シャントが使えなかったり、緊急カテーテル挿入も困難であったりと、真っ当な理由があります。

 

予定の維持透析が忘れられることは考えられないため、医学的に正当な理由があったはずです。

 

そうなれば、普通はそれを家族に説明すれば、出来ないものは出来ないので、だいたいは納得してくれるはずです。

 

なのになぜトラブルになったのか?ということについては、家族が不信感を抱くのに十分説明出来るだけの理由があったに違いないと私は考えておりました。

 

そして今日、とんでもない事実が発覚したのです。

 

これがこちらです。

 

 

 

何と!この担当医は竹田くんだったようです!

 

これだけの情報ですが、竹田くんであれば通常では考えられないような問題を起こしたに違いないと考えるのは、ごく自然なことです。

 

そこで、内容について私なりに考えてみました。

 

 

【訴状によれば、同医師が「入院理由の確認を怠った」ことなどで患者への透析治療が実施されず、入院から4日後に死亡したという。】

 

これは全くもって理解不能です。

 

「入院理由の確認を怠った」ことと「透析治療が実施されず」は何がどうつながるのでしょうか?

 

そもそも入院理由とは何だったのか?

 

結局クリニックでコロナが明らかとなり90歳だったから隔離目的で入院、とでも思ったのでしょうか?

 

つまり竹田くんんは患者が維持透析を行っていることを確認していなかった、つまり隔離だけしておいて透析の指示を出さなかった、ということでしょうか?

 

そう考えるのが普通ですが、そうなると不可解なことがあります。

 

前述したように、維持透析の場合は、転院の際には必ず透析情報が送られます。

 

ここでもすでにファックスで送られていたと書かれています。

 

であれば実施しないことは考えられないのです。

 

この場合、透析が行われなかった理由としては、以下の可能性が考えられます。

 

スタッフ(看護師や透析室)が竹田くんに透析はどうするかを聞いたはずです。

 

しかし結果的には竹田くんは透析の指示を出さなかった。

 

指示を出さなかった理由は不明ですが(ここが争点ではないかと思います)、恐らくスタッフは、90歳でコロナということもあり、全身状態が悪く透析が困難だから指示を出さなかったのではないかと予想したのではないでしょうか?

 

通常はスタッフも状況を把握した上で不可解に思うべきでしたのでしょうが、90歳ということもあり透析を行わない理由としては違和感は覚えなかったのかもしれません。

 

それでも、結果的に透析が可能な状況での転院だったはずですので、「直ちに透析治療を行う義務を怠った」ことの病院側の注意義務違反を問われるのは、仕方ないように思います。

 

そして意外と周りが気づいていない重要な点が、この入院日である昨年1月7日は土曜日で、1月9日は祝日であったため、3連休の休日体制だったということが挙げられます。

 

その翌日の1月8日と急変した1月9日までの間に医者が患者を診察していないこと自体は、休日体制であることやコロナ隔離中の状況から、あくまで病状に変化がなければ許容されます。

 

しかし、もし入院した時にも患者を診ていないのであれば、極めて問題です。

 

当時であればコロナ患者は遠隔診療で対応していた場合もあったかもしれませんが、90歳で透析を行っているコロナ患者であれば、急変のリスクは極めて高い訳なので、状況を的確に当直医に申し送ることは必要不可欠なことです。

 

そこで大事なことは「急変時の対応」です。

 

記事によると、入院時に家族から説明を求められたが救急対応中ということで拒否されたとのことです。

 

確かに救急対応中ですぐに対応出来ないことはありますが、この場合は前述のように急変のリスクが極めて高いので、急変時の延命治療の希望について、家族から必ず確認しなければならない症例です。

 

それが行えなかったため、結果的に急変したけど急変時の希望について確認出来なかったため、人工呼吸器管理などが行われた。

 

しかし、実際には本人は延命治療の希望がないことを家族に伝えていた。

 

何の説明もなく、高齢とは言え予期せぬ急変に、維持透析が行われなかったこと。

 

家族は看護師ということであり、問題があることはすぐに理解出来たと思います。

 

結果、後になりその担当医が竹田くんであることが判明し、医療従事者としてこのままではいけないということで訴訟提起を決意したとしています。

 

 

この事例は1年前に起こったことで、それからしばらくして竹田くんが連載されました。

 

竹田くんは今どこで何をしているかは知りませんが、明らかに問題のある医者を野放しにすることで、新たな犠牲者が出てくる恐れがありますし、さらには医療全体に対する不信感につながります。

 

これでは真っ当に頑張っている医療従事者が浮かばれません。

 

過去の医療事故では刑事告訴されている事案もあるようです。

 

厳正な対応を期待したいと思っています。