先日書いたこちらの記事。

 

実はこちらの記事を書く際に、どうしても載せたかった写真があったのですが、すぐに見つからなかったので、載せられませんでした。

 

無事写真が見つかったので、紹介したいと思います。

 

 

今から3年前の7月。

 

彼女はここにいました。

 

ここは上尾市民体育館。

 

ごく普通のどこにでもある体育館です。

 

この日、上尾メディックスが主催するバレーボール教室が行われた後、チーム内の紅白戦が行われました。

 

一応誰でも入ることは出来たのですが、あまり一般には公開されていなかったイベントということもあり、バレーボール教室の親子を除いた一般客は、見た限り数人というところでした。

 

紅白戦の後、サイン会が行われました。

 

実はこの時、私はちょっとサプライズで突然前に現れようと決めていたため、二階席で様子を見ていました。

 

列が途切れるのを待つのは、それほどの時間を要さず、私はタイミングを見て一階に降りました。

 

そして、ついに運命の「再開」を果たしたのです。

 

 

私がなぜこの写真とエピソードを紹介したかったかは、理由があります。

 

この日の夜、実は日本では非常に大きなイベントが行われることとなっていたのです。

 

それは、毎年夏に行われる、ワールドグランプリというバレーボールの国際大会です。

 

私はその前の年に彼女と初対面を果たし、あの時は間違いなく全日本の正セッターになると思い、それを期待して応援していました。

 

しかし、結果的には全日本メンバーには選ばれませんでした。

 

確かにチームは大不振でしたが、私は絶対に彼女のせいではないと思っていましたし、納得が行きませんでした。

 

その後、チームが廃部となり、一体どういう心境だったのだろうかと、そう考えると、私もあの期間は本当に辛かったです。

 

 

もし私の望み通り、彼女が全日本メンバーに選ばれていたら、この場所にはいなかったはずです。

 

この場所にいるということは、これが現実だったのです。

 

しかし、彼女はこの現実を受け止めていました。

 

なぜなら、そこは新天地であり、新たな希望を持って挑もうとしていたに違いないですから。

 

 

その後も彼女は2年間は控え、そして昨シーズンは正セッターを務めたものの、2部リーグであるチャレンジリーグでの戦いでした。

 

しかし、そこでは今まで得られなかった物の全てを得ることが出来たのだと思います。

 

その全てが糧となり、そしてついに全日本メンバーに選出され、このグラチャンではほとんどの試合で正セッターとしてスタメンを果たし、実際に大活躍した結果、ベストセッター賞も受賞しました。

 

地上波ゴールデンで放送されたこともあり、特に攻撃的セッターとしてスパイクを放ったり、連続でサービスエースを取ったりと、多くの国民に大きなインパクトを与えたに違いありません。

 

この時、彼女は本当の意味で輝きを放ちました。

 

 

3年前にいたあの場所。

 

一見すると暗がりに見えたあの場所は、実は確実に光りが差していたのです。

 

この3年間、間違いなく彼女は成長しましたから。

 

こうして彼女は日本のトップどころか、世界のトップ選手になりました。

 

もっとも、彼女はまだそう思っていないみたいですけど。

 

 

また闘病中の方へのアドバイスです。

 

この内容はほとんど先日書いた「点と点が未来に必ずつながると信じること」と同じなのですが、もっと言うなれば、「暗がりで見つけた光は希望の光」とも言えると思います。

 

冨永選手は、この直前までは本当にどん底でした。

 

実はこの上尾メディックスへの移籍についても、もしかしたら人によっては嫌がったかもしれません。

 

なぜなら、決してレギュラーを確約された訳ではなかったからです。

 

実際に2年間は控えでしたし、それはある程度想定内であったことです。

 

しかし、それでもそこに希望の光を感じたから、階段を登ることが出来たのだと思います。

 

病気の患った時、色んな想いがあると思います。

 

しかし、もし自分が病気をしたからこそ分かったことがあったり、病気をしたからこそ新たな道を志そうという決意をしたならば、それは間違いなく「希望の光」と考えていいと思います。

 

芸能界を見ていると、順調に成功してきたかのような人達が、とんでもない失敗をすることは、よくご存じだと思います。

 

うまく行っている時は、光の道が見えないのです。

 

暗がりになって初めて光が差していることに気づくのです。

 

病気になったということは、自分が進むべき希望の光の道を教えてくれたのだと思っていただきたいです。

 

これは正直な印象ですが、多くの患者さんは、体が健康な人達よりも、生き生きしているように見えるのです。

 

きっと何かを掴んだのだと思います。

 

その過程で苦労もあったと思います。

 

しかし、その「希望の光」を暗がりの中で見つけ、病気でも自分が幸せになるために、その道を信じて歩いたのだと思います。

 

「暗がりで見つけた光は希望の光」であることを忘れないで下さい。