色のイメージと使い方   色彩心理のすべてがわかる本より



赤が命を司るならば、赤によってパワーを得られるという発想は、古今東西変わらない
赤は治療や魔よけに使われていく。
実際に赤の顔料や染料には漢方のとしての効果がある。ローマの戦士たちがぬった硫化水銀の辰砂は火傷や皮膚の化膿に効果があり、水銀は防腐剤にもなるため、ミイラを赤い布でまいたのも理にかなっている。こうして、名実ともに赤は最強の呪術色となる。


  古代の黄のイメージは、白と同様に基本的には光に通じる。太陽の光は命の基本、白が光の明るさならば、黄は光の暖かさである。また、腐食しない黄金は、不死や永遠を意味し、黄の光と共に人々を魅了した。加えて穀物の実りの色や大地の色と結びつけば、農耕民族ではさらに意味が深まる。
こうした光や輝き、食物の色が、黄という色に明るさ、普遍性、エネルギーを感じさせ、喜びや希望、幸福というポジティブなイメージを与えるのだ。


  緑は砂漠ではオアシスだ。古代アラビア語では、緑と植物、楽園は同じ語源を持つという。人が緑を見て安心するというのは、生存に不可欠だからだけではないかもしれない。樹木は自己保存のため、害虫を防御して他の植物の成長を阻むフィトンチッドという揮発性物質を発散している。近年この物質に人間の血液中ストレスホルモン濃度の抑制、血圧や脈拍の乱れの抑制、抗菌作用があることが実証された。古代から自然を崇拝した日本の宗教的感覚が緑に気持ちを投影しやすくさせるのだろう。現在でも日本人は自然に美しさや力を感じており、こうした文化的背景が、必然的に緑の印象をよくしているのだ。


 人にとって最初の青の体験は空の色、そして水の色だろう。空も水も鮮明な青なのにつかむことができない 体験、空が頭上にあることなどが、不思議な感覚や神秘性につながったと考えられる。また、水や日陰の冷感は冷たさにつながり、空や海の広大さを体験することは人間の小ささという孤独感やクールダウンにもつながったようだ。
江戸の浮世絵にも使われており、粋の文化は図らずも藍と茶の補色が担っていたのだ。
悲しいとき自分の内側にこころが向くとき、人は青の世界に触れたくなるようだ。肉体の緊張を下げ、からだがリラックスできる色で、落ち着きを感じさせることが理由の一つかもしれない。そうしたことも、関係して睡眠障害に役立つとも考えられている。



 高貴、高級感、古典的というイメージがあれば、妖しい、病気、狂気といったイメージまである紫であるが、時代や文化にいってさまざに意味付けられてきた。
紫草も胃腸薬、皮膚病薬、腫れ物薬などとして使われていた。特に紫は患部に巻くことでも治療になるという発想から、紫の鉢巻きをする風習があった。それは今も歌舞伎や時代劇などに登場する。
紫に気持ちが惹かれる状態を全体的に見ると、非常に繊細で敏感な気分のとき、体調や精神が不調な時に、紫を欲する気持ちが高まるようだ。そんなとき紫の花を傍らに飾り眺めるだけでも癒されるだろう。優しい香りと小さな生命の美しさが紫の色と相まって静かな安らぎを与えてくれるだろう。


なんかやっぱ
奇跡の5人組だ

人が生きていく上で
これさえあればいい的な
五色・・・・・