玄関脇に、父が作った木製のベンチが置いてある。

 

確か父の定年退職後だから、もう30年近く前に作ったもの。

長いあいだ軒先の下に置きっぱなしになっていて、

ほとんど使われることもなかった。

 

後に父が亡くなり、母もだいぶ歳をとってから、

今度は玄関脇に置くようになった。

 

一人暮らしで歳をとった母が、出かける前や外から戻ってきた時など、

荷物を置いたり、ちょっと腰かけるのに使っていた。

 

今は、子どもが学校から帰って来て、ちょこんと座っていたり、

配達のひとが、チャイムを鳴らすとき、大きな箱をちょっと置いたり。

 

意外と便利で使ってはいたけれど、長年風やホコリや日光にもさらされて、

乾燥して白っぽい上に、黒くくすんで、なんだか見っともないし…恥ずかしい😔

 

 

このあいだ洗面所の上に、百均のカゴを取り付けたのだけど、

カサカサした木の表面に、オイルを塗ったら意外といい感じ✨

になったのを思い出して。

 

そうだ😃このベンチにもオイルを塗ってみよう。

 

そう思ったら居ても立っても居られず、さっそく作業開始。

 

 

ずっと外に置いてあったから、蜘蛛の巣はもちろん、砂ぼこりも付着していたので、

マスクを着用しながら😷ブラシで汚れを落として、布で拭いて。

 

布にオイルをつけて、隅々まで丹念に磨いていると…

まるで亡くなった父と話をしているような😳そんな感じがしていた。 

 

父は本当に無口で、あまり喋ることがなかったし、

私も父に対しては、なんとなく距離を置く感じだったから、

生前には、あまり語り合うこともなかった。

 

父の若い頃も、たまに自分から話してくれたことや、

母や親戚から聞いた断片ばかりで、 

じつはあまり良くは知らず。

 

父が亡くなってから、昔の給与明細や、学生時代の成績表なども出てきて、

ああ、生きているうちに色々聞いておけばよかったな…と後悔していた😔

 

だけど、ベンチをひたすら拭いているとき、

もちろんそこに“言葉“はないけれど、

何か父と対話しているような感覚、が確かにあって…

ボロボロと涙がとまらなかった🥲

 

 

何度も磨き込んでいくと、ガサガサだった木の表面に少〜しずつ艶が☺️

 

 

なんかすっきりした。

こういうのも、呪縛の解放っていうんだろうか…❓

時々、オイルをつけて磨いてみよう。