たしかに噂は聞いたことがある。
「S字・クランクには魔物が住む」と...
いや、「魔物が住む」は正直聞いたことがないし少々盛った。
とりあえずそれくらい恐れられていることはなんとなく知っていた。
S字・クランクとは2つの狭すぎる道をはみ出ずに走ろうね、という不器用殺しのデスロードの事を指す。
僕も一応教科書を読んだりして予習をしてみたりはした。みたりはした。
いざ実践の日。
「狭路は手こずる人が多いから頑張りましょうねえ」と教習員さんから言われた。やはり大変なようだ。
しかしもしかしたら僕は狭路にかけては天才で、狭路をすんなりクリアし「いやー君は天才だなあ。スタンプを3つくらい押してあげよう!」なんてハッピーな出来事が起こるかもしれない。そんな期待を胸に狭路の試練へと足を踏み入れた。
直角の試練
まず基本的に、狭路は道は曲がってるのでゆっくりゆっくり進む必要がある。早いと曲がりきれない。
そして道路脇にそびえ立つ黄色い柱に当ててはいけない。柱は子供をイメージしているそうだ。
もちろんオートマ車は勝手に進む。だからブレーキを踏み踏みしながら進む必要がある。
まさかブレーキで調整しながら進む道があるなんて。カービィのエアライドを思い出すなあ。
先に教習員さんの運転で例を見せてもらえた。ちょうどいい位置でハンドルをグリングリン限界まで回せばいいのね。簡単簡単。
いよいよ自分の番になり見事にハンドルをグリングリン回した結果ガッコン
おや?車が動かないぞ?
そう。お決まりというか何というか、ものの見事に後輪を脱輪させてしまったのである。ハンドルを回すのが早すぎた。3倍スタンプの夢、さようなら。
乗り上げた車は一度バックして戻せばセーフ。気を取り直して今度は慎重にじっくりじっくり。
ようし上手くいったぞ。ハンドルをぐるぐる回せば簡単じゃあありませんか!マッハッハッハ。
S字の試練
調子に乗った僕はS字の狭路でハンドルをフル回転させ入り口付近で前輪を脱輪する羽目になった。応用が利かない男なのである。
気を取り直して入り口から。
うーむこれくらいのカーブだから、こーんくらい曲がればいいのかな?
ガッコン
そんな、今確かに外側スレスレを走っていたはずだ。
どういうことですか教習員さん!
教習員さんが「扉をあけて」と言うのでバコチと運転席の扉を開けてみる。そこには自転車二台は軽く通れそうな広々とした空間が存在した。
そんなバカな。こんなにもスレスレを走っていたはずなのに。なんなら(右に脱輪しそうで怖いなあ)くらいには思っていたのに。
教習員さんのお手本を見せてもらうとそこには恐ろしい光景が。フロントガラスからは道路が全くと言っていいほど見えない!前のボンネットが意外と長いため、視界の正面だと遠くの地面しか目に入らないのだ。正面に道路が見えるってことは、つまりかなりの内側を走ってるということになる。
なるほど理屈はわかった。じゃあこんなにも外側を走っちゃうぞ。これで大丈夫のはずだ。
ガッコン
また内側の後輪が脱輪だ。一体どうなっているんだ。イリュージョンとしか言いようがない。
理想の天才像が遥か彼方へ飛んでいったような気がした。
狭路は次週へ持ち越しとなった。
1週間後、開幕脱輪から始まった狭路教習であったが、ここで神(教習員様)の天啓が降りた。
「もっと遠くのカーブを目指すのです...」
遠く?
あ!「遠く」が見える!
僕の一番の問題点は目の前ばかり見ていたこと。
S字で大事なのはカーブの一番遠いところを視界に入れ、そこを目指すことだったのである。
これが「勝算」だ。突っ込むぞソロモン!
遠く...遠くを見る...ブレーキを踏み踏みしつつ...そろりそろり...頭の中に和泉元彌が浮かんで邪魔でしょうがない...集中しなければ...
じっくり挑んだ結果なんとか成功。やった...やったよ...!集中しすぎて顔が汗ダラッダラになっていた。人って集中するとこんなに汗かくんですね。
2週かけてようやくS字クランクを手にした。これで基本的なことは全てやったんじゃないか?仮免試験が楽しみだぜ。
教習員「次週から普段の運転に安全確認も追加していきますね」
は?何それ?
続く
おまけ:ペルソナ5 非ネタバレプレイ日記
第1章から思いのほか外道な事件で驚く。
リュージの武器がバットだから「ホームラン!」て叫ぶかと思ったけど言わなかった。クリティカル要員ではあるのね。
スパイ行動が最高に楽しい。城壁をシュタッシュタッと渡っていくなんてまさに怪盗!だな!
壁の模様はどっからどう見ても女性器でペルソナ5製作陣のやる気と悪ノリを感じさせられる。いいぞもっとやれ。
ボス戦が楽しい!普段の戦闘と違って、そのボスならではの攻略法や演出が存在して面白い。ニチアサだ。この戦い方はニチアサだ。
こっちが気を引いてる間に別行動の仲間に活路を開かせたりとチームで戦ってる感じが良い。世界観とゲームシステムが共存してるのはやはり良い。未来視とか。
第2章へ続く。