朝起きたらなーんか、なーんか左脳がおかしいぞ。
薬剤師さんもその不味さを知ってか、飲み方のコツを丁寧に教えてくれた。
どこかを中心にモヤがかかったような感触だ。
その中心はどこか?全意識を集中させて気付いた。
耳だ。耳がトンネルの中みたいにずっと詰まってゴーーッと音がする。
とりあえず耳鼻科だ。困った時は近所の耳鼻科に行こう。ここの院長先生は仏のような喋り方と仏のような微笑みで患者をリラックスさせ、その隙に鼻にブシュブシュ薬をぶち込んでくる素敵な先生なのだ。
せんせーい、助けてほしいですだぁー!と耳鼻科へ駆け込んだらシャッターが降りていた。春分の日だ。
スゴスゴと家へ帰った僕は「耳 ゴーッ 音」とかで検索して自分の症状の目処を付けようとした。そしたらあの、嫌な、病名が、いっぱい出てきたのだ。
突発性難聴
ざっくりいうと、ほっとけば耳が聞こえなくなる病気である。絶対安静外出禁止、カフェインとアルコールの摂取禁止。薬が世界一まずい。規制だらけの割とちゃんと治さないといけない病気なのだ。
そんなこととはつゆ知らず、呑気にラーメン食って帰ってきたら難聴経験持ちの母から「寝ろ」と一喝された。
夜になると高い音がうるさく、低い音が聞こえ辛くなりとても気持ちが悪い。普通の聞こえ方がかなり最高のバランスであることに感謝するようになった。
翌日いよいよ病院へ。
診断されるなり「こちらへどうぞー」ともしもボックスみたいな箱に入れられ聴力検査。「音が鳴ってる間だけボタンを押してくださいね」と言われてその通りにやっていたのだが、音が消えるタイミングで看護師さんが妙に仰け反るのでタイミングがバレバレである。ここはスポーツマンシップに則って目を塞いでやることにした。
スポーツマンシップに則った結果、左耳が低音を聞き取りづらくなってることが判明。
「軽い突発性難聴の症状ですねー」
まるで小骨が喉に刺さってますねレベルでサラッと言われたので若干動揺したけども、本当に軽いので薬をしばらく飲んでれば大丈夫らしい。よかったよかった。でもカフェインとアルコールは控えるように言われた。アルコールはともかく血液の80%を占めるコーヒーを制限するのは悲しいが今後の人生のため我慢だ。
その薬がイソバイドというなんだかメトロイドみたいな名前をした液体の経口薬なのだがこれが噂に名高い難聴用のクソまずい薬である。
「この薬なんですけどね、飲む際は味がそんなにしないんですけどもね、飲み終わった後のですね、後味を苦く感じる方が大勢いらっしゃいますのでね、お茶とかコーヒーとかで流していただいても大丈夫です。」
まてまてまてまて。それはまさにこれから血の涙を飲んで節制せんというカフェインの番長みたいなものなのではないか!?まあ軽いからちょっとならいいのだろうけどチリツモということもあるので徹底的に真水で流し込むことにしている。(クソまずい)
難聴の原因は睡眠不足とかストレスであるらしい。「オール最高余裕っしょ」なんて余裕ぶっ来いてる大学生とか新入ブラック社員の方々には是非とも注意してもらいたいところである。
このブログを書いてるのが夜中の1時なのは内緒である。