クリスマスも終わったということで今回は僕がサンタを信じなくなった経緯を説明しようと思う。



初めてのクリスマスプレゼントは4歳のころ。クリスマスの朝、起きてみると枕元には美しい包装の箱が。
なんだなんだと思ってビリビリと開けてみるとそこにはカエルのオモチャが入っていた。あ、これは!

思い返すは近所のペットショップ。レジ横の棚にふと目をやると大量のカエルのオモチャが積まれていた。しっぽの紐を引っ張ってみるとブブブブブと振動する、というそれ以上でもそれ以下でもないカエルのオモチャだったけどなんだか無性にツボに刺さったので「欲しい欲しい」と親にねだったことがある。それが枕元に置いてあるとはこれいかに。

どうもそれがサンタなるものの仕業だと知り、なんて素晴らしいお方でしょうと崇め奉った。欲しい物をなぜか理解し、寝てる間にホッホッホとやってきてそっと置いといくなんてロマンの塊ではないか。 

そこからはもうクリスマスのために一年を生きているといっても過言ではなく、悪いことをしたら部屋でサンタへの懺悔を行い、ケンタッキーのCMが流れたらスタンバイ。クリスマス当日はサンタを喜ばせるために飾り付けをしまくりプレゼントを貰ったら365日後のことを考えていた。

もはや宗教と化した(キリスト教の行事ではあるが)子供時代は小学校3年くらいまで続いた。が、ここで事件が起こる。


サンタさんに頼んだプレステのコントローラーが明らかにおかしい。接続するとカーソルがめちゃくちゃに動いてしまうのだ。これは困った。

年に一度のプレゼントが壊れているのは悲しい。泣き顔で親に相談すると親は言った。「交換してもらおう」。そしてそのまま近所のエディオンへ向かった。




ちょっと待って?

ん?エディオン?サンタさんから貰ったものをエディオンで交換?エディオン的にはそれってありなの?

まあなんかそういうサービスがあるのだろうと思ってその年は乗り越えたけど、この頃から決して拭えないある疑惑が浮かび始めたのはいうまでもない。まさかな...まさかな...


翌年、疑惑はいよいよ確信へと変わる。その年、僕はwiiをくださいとお願いした。当時のwiiは凄かった。魅力の塊だった。僕は親に「サンタさんよ、僕は良い子でいたのでwiiをください」と伝えてくれとお願いした。

そしてその年のクリスマス。wii来るかなあwii来るかなあ、とワクワクしながら風呂から上がると親が不審な笑みを浮かべて立っている。なんじゃいなんじゃいと思っていると親は言った。

「あのねえ、サンタさん速達で送ってきたみたいだからもう届いたの。どこかにあるから探して探して。」






はあ?


サンタが速達。なんというパワーワードだろう。そっかあ〜速達かあ〜そりゃ早くて便利だなあ〜。


そんな訳がないだろう。サンタが速達で送ってくるならトナカイもソリもいらないし実際に運んでくるのは佐川のお兄さんだろ。サンタいらないじゃねえか。

違う、いないのだ。サンタさんはいらないんじゃなくていないのだ。親もさすがに設定を守るのがめんどくさくなってしまったのだ。歳も二桁になる子供が意外とサンタさんを信じてるもんだからめんどくさくなっちゃったのだ。あー騙された騙された。10年近く騙され続けた。

「サンタはいない」。そんな薄々気付いていた現実を速達という形で伝えたられた僕は親が隠したwiiを「どこだろうなあ〜ここかなあ〜」と全てを悟った顔で探す羽目になった。なんて茶番だろう。カーテンの裏にあった。マリオギャラクシーは楽しかった。






「クリスマスはサンタさんがプレゼントを届けてくれるんだよ〜」という10年後にはバレる嘘を何故みんな付くのだろう。恨まれるか自暴自棄になるかの二択でしかないのに。


そんなことを毎年考えていたら先週のアンパンマンにサンタさんが出てきた。「サンタさんはなんでプレゼントを配るの?」けむりいぬの質問に、サンタさんは答えた。一言一句はあってないけどこんな言葉だった。


「プレゼントを貰うと心があったかくなるだろう?心のあったかさはみんなに分け合いたくなるだろう?僕がプレゼントを配るのは、その心の暖かさを他の人に分けてもらえるようにするためかもしれないね。」


深い。

サンタ良いこと言った。良いこと言ったよサンタ。
そう、プレゼントを渡すのは一年間良い子でいてもらうための親の洗脳教育という訳ではない。次の世代の子供たちにも、自分が楽しかった思い出を分けてあげられる暖かい大人になってもらう為だったのだ。目から鱗、膝連打。さすがアンパンマンは言うことが違う。

ということでサンタの存在はとても良い嘘だったのだ。いや、虚構だとか現実だとかそんなの関係ない。誰がなんと言おうとあの頃確かに僕の中ではサンタはいたんだ。いないなんてのは僕が勝手に思い込んだことだ。覚えてさえいれば、いつでもサンタは現れるんだ!








という大切なことを「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」が教えてくれたのでみんな観に行こう。仮面ライダーはいいぞ。