ディズニーランド!!!
ちょっと考えても見て欲しい。妙にダークな待機列、どうみてもギャングな悪イタチ、やたらとエロティシズム溢れる姿の女性が縛られている、ていうかどうみても1人だけ人間じゃねえか。
なんとまあ夢と魔法の国の中でもダントツで浮いている存在じゃありませんか。
映画の都ハリウッドで私立探偵をしている一匹狼。兄をトゥーンによって殺されているため心底トゥーンタウンの人が嫌い。でも実力は本物で過去にはグーフィーのスパイ容疑を晴らしたりしている。本編ではロジャーに半ば強制的に事件の捜査を頼まれたことで事件に巻き込まれていく。ロジャーとのキスシーンが2回ほどあるから実質ヒロイン。
ドゥーム判事
名は体を表す奴らばかり。可愛い。
サイコ:とにかく殺すことしか頭にないヤベーやつ。アトラクションではロジャーと共に感電しながらゲラゲラ笑っていた。死ぬ。
ウィージー:ヘビースモーカー。ずっと咳き込んでるそんなにヤバくねー奴。見た目はインパクトあるけど特に他の印象はない。すまん。アトラクションではジェシカを見張っているが隣で相方がぶん殴られてるのに気がついていない。死ぬ。
じゃあ現実世界ではこの現象は起きないのかと思いきや奴らは加減しない。
ダック同士のピアノ対決が見れるのはこの映画だけ。アトラクションの待機列でもこの演奏は聴けます。ドナルドだけだけど。
の奥にある
トゥーンタウン!!!
の奥にある
「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」
というアトラクションがある。
あまりに奥にあるために存在すら知らない人もいるだろうけど、これがとても面白い。
特筆すべきは作り込まれた世界観だ。壁をぶち破りながらもやたらと楽しそうにぷらぷら揺れている顔付きタクシー。トゥーンタウンの裏社会を歩いている気分を味わえる待機列。殴られれば頭の上では星がクルクル回り、感電すれば骨がスケスケになる謎の現象。正にカートゥーンの世界を体験できる、とても愉快なアトラクションなのです!
と、誰でも知っていることを世紀の大発見であるかのように語ったところで質問です。
ロジャーラビットって何?
ちょっと考えても見て欲しい。妙にダークな待機列、どうみてもギャングな悪イタチ、やたらとエロティシズム溢れる姿の女性が縛られている、ていうかどうみても1人だけ人間じゃねえか。
なんとまあ夢と魔法の国の中でもダントツで浮いている存在じゃありませんか。
あまりにも訳の分からないものを見ると人は意味を求めたがる。僕もあちこちのレンタルショップで原作を探しましたさ。そしてようやく見つけたのがこれだ。
映画「ロジャーラビット」
何がどうなっているのかを簡潔に説明すると「ロジャーラビット」は実写映画だということです。まあその辺は後で解説するとして、
最初はアトラクションを理解するために観たのだけどこれがなんとも大変なことにアトラクションより面白い映画なんですよ!!
いや、もはやこの映画が一つのアトラクションといっても過言ではない。ちょっと何を言ってるのか分からないと思うので何が面白いのか簡潔に説明していこう。
・世界設定
先ほども述べたようにこの映画は「実写映画」である。じゃああのロジャーラビットも気持ち悪いウサギの人形みたいな形で出演するのかと言われたらそういうことではない。
アニメのまま現実世界に登場するのだ。
物語の世界観は、僕らの生きるリアル世界とアニメのキャラクターが生きる世界「トゥーンタウン」の二つの世界で成り立っている。
もちろんディズニーランドのトゥーンタウンの元ネタはこれです。
で、ロジャーラビットを始めとしたトゥーンタウンで生きるアニメキャラは、現実世界でアニメ映画の役者として仕事をしている。だから現実世界にもアニメのキャラクターが存在する、という事態が起きているのだ。
この「現実世界にアニメキャラがいる」という描写がとにかく尋常ではなく、ロジャーが現実の椅子でブラブラすると椅子はちゃんと揺れ、水に落ちれば水しぶきが立つ。とにかく実写へのアニメの融合が高度すぎて、映画の中盤くらいから違和感すら感じなくなってくる。
・人物紹介
そういえば人物紹介がないとわかりづらいと思うので人物紹介をやっていこう。
ロジャーラビット
エディ
映画の都ハリウッドで私立探偵をしている一匹狼。兄をトゥーンによって殺されているため心底トゥーンタウンの人が嫌い。でも実力は本物で過去にはグーフィーのスパイ容疑を晴らしたりしている。本編ではロジャーに半ば強制的に事件の捜査を頼まれたことで事件に巻き込まれていく。ロジャーとのキスシーンが2回ほどあるから実質ヒロイン。
ジェシカ・ラビット
トゥーンタウンの突然変異種。ロジャーラビットの妻。ラビットって苗字だったんかい。なぜか1人だけ人間のような姿だがその理由は「そういう風に描かれたから」。ヒトも動物の一種であることを忘れてはならない。ロジャーのためならたとえ火の中水の中で場合によっては殺害も辞さない。
ドゥーム判事
サイコ:とにかく殺すことしか頭にないヤベーやつ。アトラクションではロジャーと共に感電しながらゲラゲラ笑っていた。死ぬ。
グリージー:身体チェックという名目でジェシカの父に手を突っ込もうとする下っ腹の出たヤベーやつ。跳ねるのはこいつの首だ!アトラクションではジェシカにぶん殴られて気絶してる。死ぬ。
スマーティ:スマートなリーダー格。銃を持ってるヤベーやつ。声が小物っぽくて可愛い。アトラクションではジェシカをさらったり最後に待ち構えたりしている。ミッキーテトリス64にも出ているが小物っぽさが増している。死ぬ。
ウィージー:ヘビースモーカー。ずっと咳き込んでるそんなにヤバくねー奴。見た目はインパクトあるけど特に他の印象はない。すまん。アトラクションではジェシカを見張っているが隣で相方がぶん殴られてるのに気がついていない。死ぬ。
ステューピッド:明らかにヤベー奴。よくリーダーに間抜けと怒られる。服装がmr.スミーにそっくりだが特に関係性はない。アトラクションでは上から象を落として潰そうとするも失敗する。声がダントツで目立つため知ってる人も多いのでは。死ぬ。
ベビーハーマン
見た目は赤ちゃん、中身はおっさん。ロジャーラビットの仕事仲間。完璧な赤ん坊役を熱演する。ロジャーをなんだかんだで信頼しており、事件に陰謀があることを疑う鋭さを見せる。でも葉巻を取ると「ワシのおしゃぶりが!」と泣き喚く。アトラクションの待機列でも葉巻を吸いながら怒ってる。
・もしもトゥーンが現実に来たら
アニメキャラが壁に向かって全力疾走するとどうなるか。もちろんぶち破るだろう。おまけに綺麗に自分の形の穴を残していくのが鉄板だ。
頭の上に金庫が落ちてきたらどうなるか。頭に星を飛ばしながら地面の下から這い出てくるだろう。
これらの現象はアニメの中では当たり前だけどよく考えると正気の沙汰ではない。当時のアニメーターの頭の中はどうなっていたのかと心配になるレベルだ。
じゃあ現実世界ではこの現象は起きないのかと思いきや奴らは加減しない。
カートゥーンではお決まりの現象を平気で現実世界でも起こしていくのだ。実にいい迷惑である。ちなみにこの映画の主人公の兄はトゥーンの落とした金庫に潰され死んでしまっている。トゥーンなら無事でも人間は無事では済まない。
・オールスター
先ほどなんの説明もなくダンボが出てくるシーンを載せてしまい、多数の方に困惑を与えてしまったことを深くお詫びいたします。そう、本作は多数のカートゥーンキャラクターが登場するオールスター映画なのだ。
ディズニーキャラクターではなく「カートゥーンキャラクター」と称したのはもちろん理由がある。このワンシーンを見て欲しい。
もう、なんでもいるのである。
ミッキーミニーはもちろんワーナーのバッグスバニーやトゥイーティーもいる。おじさんのパーカーとかによく描かれているベティーちゃんもいるしホセもいる。ホセもいる。
そう、映画「ロジャーラビット」はディズニーだけでなく、ありとあらゆるカートゥーンキャラクターが一同に会するとんでもねえ映画だった。
そもそもこの映画の制作総指揮、よく見るとあのスティーブンスピルバーグ様様。「レディ・プレイヤーワン」でもとんでもない数のキャラクターを出しまくってたけど30年以上前から似たようなことやってたんですね。さすが巨匠はやることが違う。
ダック同士のピアノ対決が見れるのはこの映画だけ。アトラクションの待機列でもこの演奏は聴けます。ドナルドだけだけど。
ディズニーランドのトゥーンタウンにももしかしたらバッグスバニーがいるかもしれない。そう考えると妄想が膨らんで楽しいですよね。人生ってサイコー。
・普通に話が面白い
「ロジャーラビット」の独自性ばかり紹介したけど普通に物語も面白い。アトラクションから漂う物騒な雰囲気から察せるかもしれないけど割と本筋はバイオレンス。
ある殺人事件の濡れ衣を着せられた映画俳優ロジャーラビットが警察から逃げながらトゥーン嫌いの探偵と共に事件の真相を探るという少し大人向けな物語だ。
事件を探るうちに金がらみの大きな陰謀が出てくるわ、口封じで人が殺されるわ、拷問シーンがあるわで結構ハードである。ディップ(アトラクションの待機列でグツグツ量産されてる緑の液体。というかインク消しの油)でトゥーンが溶かされるシーンはトラウマもんだぁ。
まあトゥーンたちのコミカルな描写とロジャーのうるささで物凄く緩和されるので身構えて観るほどのものではない。気楽に観よう。
そしてみんな大好き伏線回収やトゥーンならではの予想外の解決方法、トゥーン嫌いの探偵が徐々にロジャーと打ち解けていく描写など面白い見所がいっぱいなので純粋に映画としてオススメできる。
御託をズラズラと並べたけど
「バックトゥザフューチャー」作ったロバートゼメキス監督とスピルバーグの作品だから間違いない。観るんだ。
そして映画を観たらディズニーランドの「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」に乗るんだ。