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一人暮らしだった時、適当ながらも料理をするようになると、時々起こる調味料切れにはいささかウンザリする。
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(そろそろ醤油がなくなるな、明日仕事帰りにでも買おう)
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なんて思っていても次の日にはすっかり忘れていて、いざ、味付けの段階になってやっと思い出す。やむなく醤油なしでオイスターソースを多めにして、、あ、これもない。砂糖も足りない。もぉいいや、塩コショウだけで、、コショウないじゃん。
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と、連鎖的に発生する調味料クライシス。これがドレッシングや米、果てはティッシュからシャンプー、電球等の日用品まで飛び火するので、一体何がなくて、何が必要なのかさっぱりわからなくなり、スーパーで呆然と立ち尽くす事もしばしばあった。挙げ句、どうでもいいものを買ってきてしまい、家に帰ってきてから地団駄を踏む事になる。
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. 解決策として、とうとうメモをとる事にしたのだが、店に着いてみるとそのメモがどこに行ったか見当たらない。
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どうやら、ぼくは流動的に流れる在庫管理にはむいていないようだ。冷蔵庫に入ったまま放置された食材がぼくに語りかける。 .
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「おい、お前。なんでおれを買ったんだ?おれの調理方法ひとつ知らないで。モロヘイヤって言葉が好きだからって理由で買うなよ。そこの大根も、なんか、たくあんみたいにシナシナになっているぞ」
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申し訳ない。食材達。パタン。
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今はだいぶ管理出来るようになりました。