~第二十一章~ お父さん・・・。
午前五時半、お母さんが起きてくる。最近は、ゲージじゃなくて部屋の中で放し飼い状態の俺!お母さん!おはよー!おはよー!
お母さんは「ノアちゃん!おはよう!」と、二人は朝のコミュニケーションをとる。
午前六時、ここでお父さんが、そろそろ起きてくる時間なのだが・・・。お父さんは起きてこない。きっと寝坊してるんだな。
お母さんは「クルクル。」と、台所仕事を済ませ。「いってきまーす!」
と、どこかへ行ってしまった。
あ~あ、一人でつまんねえ。お父さん早く起きてこないかな。
時刻は十二時半、いくら遅くてもこれ以上は寝てられないでしょう。
それから、午後三時。いやいやいや、お父さん寝すぎでしょ。
午後五時、スマホが鳴る。お父さん電話だよ!早く出なきゃ!
電話にも出ないで寝ている。あれ?おかしいぞ?
午後六時、お母さんが帰ってくる。お母さんはすぐに寝室に向かう。
寝室でお母さんは、お父さんの手を握るも、ポロっと手を落としてしまう。フラフラと電話のほうへ歩いていく・・・。
俺はお父さんに近づいていく・・・。お父さん?どうしたの?起きてよ!手を触ってみると、冷たい!お父さん!もしかして?
お母さんは電話を終えると、速足で走ってきて、胸を何回も押していた、そして叩いている。これはテレビで見たことある「心臓マッサージ」だ!
お母さんは「生きかえれ!生きかえれ!」と叫んでいた。
お父さん、死んじゃったの!俺も一緒に胸を叩いた。
お父さん!生きかえれ!生きかえれ!と言いながら胸を叩いた。
ピンポーンと玄関から呼びベルが鳴る。走ってお母さんはお客さんを出迎える。すると三人ぐらいの男の人が 車輪のついた動くベッドのようなもの持ってきた。
そして、お父さんに触れるや否や、「これはもう駄目ですね・・・。」と言う。お母さんは「そうですか・・・。」と一言。
三人の男の人がお父さんを、車輪のついた動くベットのようなものに、乗せてお母さんとその場を後にする。
三時間後、お母さん帰宅。ついでに牧師先生まで来て、車輪のついた動くベッドに乗ってお父さん帰宅・・・。寝室の中央に寝かされた。
牧師は「本当に若い命だったね。」
お母さんは「はい。今日は来ていただいて、ありがとうございます。」
と、牧師とお父さんの事や、前夜祭、告別式の準備について話す。
話が終わると、牧師はお祈りをして、その場を去っていった。
お母さんは「ノア!ノアちゃん!どこ行ったの⁉まさかあの救急隊の人達と出て行ったのかもしれない!ノア!どこ?ノア!」
ふとお母さんは後ろを振り向く、そこには俺がいた。
お母さんは「ノア~!お父さん死んじゃった~!」と、俺に泣きついてきた。ああ。そうだな。でも、お父さん言ってたじゃない。早く天国で幸せに暮らしたいって。
お母さんは淋しいかもしれないけど、お父さんやっと天国に行けたんだ。でも淋しくないよ。
お母さんには俺がついてる。神様だってついてる。
俺は人間のように長生きはできないけど、ずっとずっと、一緒だよ。
お母さんは「ノア、三日後、前夜祭なの。その次が告別式。一緒に行ってくれる?」おお。いいぜ。お母さんとなら、地の果てまで行ってやる。
そして、前夜祭の日。牧師は壇上に上がり前夜祭の指揮を執る。そして、お祈りの途中で壇上の上で泣いてくれた。
告別式には、前夜祭のときよりたくさんの人達が集まり、若すぎる、お父さんの死に泣いてくれた。
そして火葬場、最後のお別れのとき、お母さんは、俺の入ったキャットボックスを持ち上げ「ノア。お父さんと最後のお別れだよ。」と、棺桶の中を見せてくれた。お父さんじゃあな!天国で幸せになってくれ!
棺桶は火葬炉に入っていく。ドアが閉まるとお母さんは、その場で泣き崩れてしまう。マドカおばちゃんも一緒に泣いてくれた。
お骨になったお父さんは、家のお母さんの親父さんの写真の横に置かれた。
お母さん、大丈夫か?前にも言っただろ。俺はここにいる。ここにずっといるからな。いつまでも一緒だよ。
~完~
