　2019年4月20日付読売新聞の記事を次に掲げる。

エリザベス号3年ぶり寄港　横浜港

　英国の豪華客船「クイーン・エリザベス」（約9万㌧、定員約2000人）が19日、大黒ふ頭（横浜市鶴見区）に入港した＝写真＝。横浜港への寄港は3年ぶり。この日は、横浜市が同ふ頭で整備を進めてきた「大黒ふ頭客船ターミナル」の全面供用が始まり、寄港とオープンを祝ってセレモニーが催された。

　クイーン・エリザベスはオーストラリアから世界各地を巡って入港した。今後は函館港や金沢港などをクルーズし、4月28日と5月5日に再び寄港する。

　大黒ふ頭では、クルーズ船の増加に対応するため、CIQ（税関、出入国管理、検疫）施設を兼ね備えたターミナル整備を進めてきた。これまで、乗客は大さん橋ふ頭（横浜市中区）の施設などにバスで移動して入国手続きをしていたが、新ターミナルでは約3000人の手続きに対応できる。

林文子市長はセレモニーで、「万全の体制で世界中のお客様をお出迎えし、（横浜港を）ワールドクラスのクルーズポートにする」と意気込んだ。

　わたしは、その年11月にグローバルクルーズ個展を控えて、このチャンスを逃さなかった。　4月19日　私も横浜港に往訪して、「豪華客船観覧クルーズ」に参加した。

　この日は、天候に恵まれて、残念ながら「飛鳥Ⅱ」こそ観ることができなかったが、大さん橋ふ頭には、「ダイヤモンド・プリンセス」や「オーシャン・ドリーム（ピースボート）」が停泊しており、至近距離から観ることができた。

　そして、観覧クルーズは、大さん橋近くから出航して、更にベイブリッジを越えて、大黒ふ頭に停泊している「クイーン・エリザベス」に向かった。

　観覧クルーズに参加している誰もがこれをお目当てにしており、われわれは、たっぷり時間をかけて、全長294ｍ　クイーン・エリザベス号の雄姿を海上から楽しんだ。

　わたしは、その美しい姿が搭乗している乗客自身には少しも見えなくて、外からの野次馬見物者にしか眺められないのを不思議なこととして感じていた。

　クイーン・エリザベスは、過去　大さん橋ふ頭に停泊していたが、潮位が高くなってベイブリッジから出られなくなった経緯を有する。

　そして、わたしは、現在停泊している殺風景な大黒ふ頭ではなく、横浜みなとみらいを背景にして、大さん橋ふ頭に停泊しているものとして、クイーン・エリザベスを次のように絵に描いた。

　更に、パナマ運河を出て太平洋に向かうクイーン・エリザベスも描いた。

　つまり、タヒチでは帆船に乗り換えるものの、パナマ運河を出てから横浜港まで太平洋を横断して、日本に帰国するのは、クイーン・エリザベスなのである。

　ちなみに、大西洋を横断するのは、英国からは「タイタニック号」で出航し、極光（オーロラ）が輝く北極海を「宗谷」で航海し、ブログ記事「グローバルクルーズを振り返って」において書いたように「メイフラワー号」でアメリカNYに到着する。

　次は実際に船に乗り世界一周して絵を描いたらどうか　と勧められたこともある。

　しかし、リアルな世界一周の船旅は、3カ月間程度であり、寄港地の制約から行きたいと思うところにもなかなか行けない。

　わたしは、2017年から3年間をかけて、「グローバルクルーズ」を制作した。

　クルーズする船は時々の事情に従って船体を選び、行先は時空を越えて関心ある場所を選定して、絵画を制作することにより旅を重ねた。

　この架空の船旅を終えることにより、私は深い充足と達成感を得て、今後　実際のグローバルクルーズに参加することはあり得ないであろうと思っていた。

　・・・ところが、昨年末　某社から「　2024年　クイーン・エリザベスで航く　初夏の九州と韓国　10日間　」という案内が自宅に届いた。

　わたしは、伊豆七島や沖縄に船で行ったことはあるが、外洋の船旅経験は皆無である。

　これを機会に、

　クイーン・エリザベス号の「船内体験」をして、

　わたしの「グローバルクルーズ」を完結するために、

　配偶者とこの船旅に参加することを決定し、直ちに予約することにした・・・・・