ひねもす、のたり。

ひねもす、のたり。

漂泊のシンガーソングライター。
敬愛するビリージョエル師父のスタイルで、ジャンルに拘らず作っては歌いちらかしております。

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轟音と地響きのあとに残ったものは
あたりに舞う埃と呻き声と焦げた嫌な臭い
そして肉の破片

 

わたしはあなたの姿を一生懸命に探した
わたしを庇ってくれたあなたを
でも
大丈夫だと囁いてくれたあなたの微笑みは
どこにもなく
腕にこびりついた
ぼろぼろになったあなたのシャツと
真っ赤な靴が転がっているだけ

 

 

さっきまで鳴り響いていた
けたたましいサイレンも
たくさんの人の叫び声も
いまはとても静か
耳の奥がジンジンと痛む
わたしの耳は聞こえなくなっちゃったのかな
わたしの目は真っ赤な帳が降りたよう

 

 

あれからずいぶん時が経った
仮初なのか分からないけれど
幸せを感じることだってたくさんある
それはおまえたちのおかげ
そしてあのひとのおかげ
今はあまり思い出せなくなったけど
あの時
耳が聞こえなくなってしまえばよかった
目が見えなくなってしまえばよかった
と思うことが何度もあったよ

 

 

わたしはばかだから
難しいことは分からない
何をどうしたらよかったのかだって
何も分からなかった
ただ泣き叫び逃げまどうだけの
そんな子どもだったんだ
誰かが止め方を知っていたなら
止められるものなら
止めて欲しかったよ

 

 

今日はとても晴れた日だね
あの日と違うサイレンの音が響いているね
さあ一緒に手を合わせておくれ
あの青い空の向こうにいる
おまえに命を繋いでくれた家族のみんなに

 

 

そして祈っておくれ

 

 

空に火の矢が飛び交うことのない
静かな日々が過ごせますように
痛みと喪われた苦しみに涙することのない
穏やかな日々が続きますように
大声で讃歌を唄う必要だってない
そんな平凡で優しい日々が

 

 

あなたがあの美しい笑顔で
わたしに微笑みかけてくれた
あの瞬間が永遠に封ぜられますように