今日は、平成26年度下請取引改善講習会に参加しました。
千葉県と東京都の会場は満員だったため
神奈川県まで遠征です。
公正取引委員会・中小企業庁が共同で作成したテキストを用い
講師は弁護士、運営は(株)東京リーガルマインド、という
濃度の高い講習でした。
下請法(下請代金支払遅延等防止法)は
下請取引の公正化と下請事業者の利益保護を図るという目的から
中小企業関係法としての性格も併せてもっています。
つまり、中小企業政策の重要な柱なのです。
下請法の基礎知識はゼロではありませんでしたが
今回あえて受講した理由として
受講生(主に発注などの契約業務を担当・管理する人)
との交流によって現場の声を聞くこと、
購買改革によって財政再建をめざす私として
弁護士でも悩むような商取引について見識を深めること、
この2つがあります。
実際に体験したのと似た事例が講習会で扱われましたので
ひとつご紹介します。
下請法では親事業者に11項目の禁止事項が
定められています。中でも
「下請事業者が納品してきた場合
親事業者が下請事業者に責任がないのに
納入したものを断ること」
「納品物を受領した日から起算して60日以内に
定められた支払期日までに下請代金を支払わないこと」
は極めて厳しく、公正取引委員会(=公取)
の勧告対象になります。
では納期前に下請事業者から納品された場合は
どのように対処したら良いでしょうか。
約束した納期前の納品について親事業者は
受け取る義務はありませんので、受領しなくても
本法に違反しません。
ただし公取は「受領が望ましい」
としていますので、その場合は「仮受領」として
親事業者が下請事業者に伝えて納期まで保管して
支払期日に下請代金を支払えば良いのです。
ただし、仮受領とせず受領した場合は
受領日から起算して60日以内に下請代金を
支払わなければなりません。
この様に、下請事業者の利益保護を目的とした法律ですが
親事業者に対する権利侵害も防止するよう
公取はあくまで公正な下請取引を推進しているのです。
なお、平成26年度の中小企業庁委託事業として
中小企業や小規模事業者が消費税を円滑に転嫁できるよう
消費税転嫁対策特別講習会も各地で無料で
開催されています。
「消費税転嫁対策特別措置法」やガイドラインを
解説します。
また、同事業で「下請かけこみ寺」も設置されています。
消費税の転嫁等に係る取引上の相談について
相談員や弁護士が無料で受け付けています。
詳しくは経済産業省、中小企業庁のホームページを
ご覧ください。