これは、今日、僕が描いた手書きパースです。
教本を見ながら生まれて初めて描きました。
初めてにしては上手く描けたんじゃないかと、まさに自画自賛しています。
かなり控えめに言いましたが、上手く出来てテンションマックスです!
今後、展開していく予定のリフォームプランのために、描けた方が便利なのです。
早くみんなに見てもらいたい!
皆様にはチラシが出来次第、お知らせしますね。
あなたは「日本瓦」と聞いてどういった印象をお持ちでしょうか?
こんな声が聞こえてきそうです。
日本瓦が大好きな私としては、心が痛みます。なぜなら、これは誤解だからです。
実は、瓦屋根というのは、思っているほど重くないのです。
こんなデータがあります。
| 重量(一㎡あたり) | コメント |
日本瓦 | 約 46.1kg | 日本の気候風土に合わせて、改良を重ねられた古来よりの屋根材。様々な特性があるが、施工に技術が必要。 |
S瓦 | 約 48.2kg | スパニッシュ瓦の上下を一体としたもので、主に洋風建築で使用される。 |
セメント瓦 | 約 43.7kg | 焼き瓦に比べ施工が容易で、コストも安くつくが、焼き瓦ではないので、塗装がはがれ易い。 |
波型瓦 | 約 13.8kg | 重量は軽く施工も容易で早いが、トータルコストでは他の屋根材とあまり差がない。遮音・断熱性や塗装が、やや難。 |
カラーベスト | 約 21.5kg | 重量は軽く施工も容易でコストも安いが、遮音性・断熱性・塗装の強度がやや劣る。デザイン的にも重厚感が少ない |
※奈良県 木村瓦株式会社のホームページより引用しました。
この表を見てお分かりのように、日本瓦よりも重い屋根もあるのです。
現在、新築住宅の屋根に最も多く使われているカラーベストは、日本瓦の約半分の重量ですね。施工費用もそれぐらいです。
だいたい35坪ぐらいの家で、屋根の面積は(総二階と平屋では屋根面積は全く違いますが)100㎡ぐらいだとしましょう。
そうすると、日本瓦は4.61トン。カラーベストは2.15トンとなります。
日本瓦が重いのは想像できても、カラーベストも意外と重いんだということにお気づきでしょうか。
確かに、屋根の上の重量差は、耐震強度に影響を与えるようですが、カラーベストでも2トン乗っているのです。その上、先ほどのデータは乾燥重量です。カラーベストは日本瓦よりも水分を含みやすい性質があります。
そして、4トンぐらいの重量にしか耐えられないような華奢な家は、現在の建築基準法では建てることができません。
大震災の度に見直されてきた日本の建築基準は、世界一厳しいと言われていますよね。ですから、瓦葺き屋根の場合でも、非常に厳しいガイドラインが出来上がりました。そのため今では、日本瓦は震度7程度で崩れるようには造られていないのです。
20年前の阪神大震災の折、瓦の重量が原因で家が倒壊したという報道がなされましたが、後に誤報であったと訂正されました。
もうお分かりのように、地震で倒壊した家は、瓦が乗っていたのは確かかもしれませんが、過去の建築基準で建てられていたのですね。そして、老朽化もしていたでしょう。つまり、瓦屋根だから倒壊したということにはできない訳ですね。
この震災の後、数回にわたり耐震基準は見直されています。そういった経緯を経て、現在では「瓦屋根は重いので地震には弱い」とは言えない、むしろ、「瓦ぐらいの重量に耐えられないような家は存在しない」と言えるのです。
しかしながら、瓦は材料代も、作業手間も、カラーベストより高いのは事実です。つまり、イニシャルコストは高くなるという事です。
ただし、ランニングコストは非常に安いのです。
瓦の手入れといえば、棟部分の漆喰修理です。
漆喰というのは、棟と平瓦の境目に見えている白い土のような部分のことで、この漆喰が剥がれたり、棟自体が崩れたりした時に、棟の修理を行います。
しかし、先程もお話したように、建築基準が高くなり、今では漆喰が剥がれるような工法はなくなり(南蛮漆喰工法)、棟も崩れないように、内部でのし瓦同士を結び、芯棒を通しておき(耐震耐風強力棟工法)、崩れないようになっています。
あとは、瓦が割れた時に差し替えたり、南蛮漆喰が水を吸って風化してきたら交換する必要があるぐらいです。瓦本体は、ずば抜けた耐久性をもっているため、交換の必要はまずありません。
つまり、今ではほとんど手入れの必要がないので、ランニングコストは非常に安いのです。(平板のF型瓦だと、南蛮漆喰もほとんど痛みません)
瓦屋さんの仕事は減ってしまいますが、お客様にとってはいいことですよね。
逆に、カラーベストはイニシャルコストは安いのですが、ランニングコストは大変なものがあります。
例えば、先ほど例に出した100㎡の家の場合だと、イニシャルコストでは30~40万円ぐらい日本瓦のほうが高くなります。(もっと高価な瓦もありますが)
しかし、カラーベストを10年で塗り替えたとすると、その際に、100㎡だと30~40万円ぐらいかかってしまいます。(足場を含みます)
1回で済めばトントンですが、ご存知のように住んでいる間には、何回か塗り替える必要がありますよね。
更には、カラーベストが劣化してしまうと、葺き替えたり、重ね葺きしたりします。
日本瓦の漆喰交換をしたとしても、最終的には、カラーベストのほうがお手入れの分、お金がかかってしまうのが、お分かりいただけると思います。