再建外科と美容外科 -機能と形態ー
再建外科は腫瘍切除や外傷により失われた組織と
それに伴う機能的・整容的問題を回復する形成外科の重要な仕事のひとつです。
「再建外科」と「美容外科」、一見関係なさそうに見えますが
繊細なテクニックが要求されるとともにcreativity,創造性が要求されるところが
どちらにも共通しています。
近年は顕微鏡下に血管吻合を行うマイクロサージェリーのテクニックを用いて
再建のQualityも飛躍的に向上してきましたが、どこまで高いレベルまで
組織の欠損を回復することができるかはやはり再建外科医の腕にかかっています。
(マイクロサージェリーに欠かせないZEISSの顕微鏡)
とくに頭頚部の再建においては単に傷を被覆するのみならず、食べる・話すといった生存に欠かせない
機能を回復するとともに、表情や整容面の再建も大事だと思っています。
Porsche 911: "Form follows Function"
(マイクロサージェリーの恩師T先生に、、、)
機能と美しさはしばしば異なる座標軸に存在し、
医学においても選択肢の問題としてとらえられることもあります。
しかし、Porscheをはじめとしたプロダクトに見られるように、すぐれた機能をそなえた美も存在します。
(一度みたらおそらく忘れないポルシェ911の美しい流線型のフォルムは速度無制限のアウトバーンにて
200キロオーバーの巡航を実現するため空気力学的に導かれたものでもあります)
そこにあるのは造り手の明確な意思、、、
「機能と整容を高いレベルで両立すること」
形成再建外科・美容形成外科医として仕事にのぞむときの我々のフィロソフィーです
10. Jun. 2009 23:00 烏丸三条 IYEMONカフェにて
T.Nishimura
GOEMON (KIRIYA PICTURES) -2
前回 にも書いたようにこの作品、
ディテールへのこだわりがハンパではありません。
ちょうど情熱大陸でも紀里谷氏がフィーチャーされていましたが、
一枚の絵(シーン)の細部にわたりその色彩・空気すべてに妥協なく
彼の求める世界観が追求されています。
彼はこの映画の予算をあつめるために自らすべての資産を担保にしたそうです
「もっているすべてのものを失っても、今この映画を作りたい。
制約に縛られて中途半端なものになるくらいなら、やめちまえよ、」
そんな彼の叫びが聞こえてきそうです
予算のために、お金儲けのために作品を作るのではなく、
自らの思い描く世界を実現するために作品を作り上げてきた彼の情熱が
この映画に結実しています
06 Jun. 2009
T.Nishimura