原 景
真夏の 陽射しが 背を 焼く歩く小路に 耳を 打つ セミの声側道に 細い 用水路がある透き通る 水に 雲なき真っ青な空揺らぎ きらめき ながれゆく道案内のように 導かれて歩いてゆくその先に もとめる 何かがあるそう 信じ そう 願い 歩いてゆくそれが 事実だと あの頃の私は しんじていた遠い 里山から 鐘の音真っ青な空に カラスが2羽なきながら田の上に 黒い輪を描く熱っぽい 気怠い 身を 引き摺り誰もいない 野道を 歩みゆく終わりなき この小さな 旅が小さな 胸の 奥に ある心を不思議に 半世紀 過ぎた今も残り 続ける最後は いつも あの音で夢旅が 終わりを告げる古びた 小学校の 昼を 告げるサイレンの 音ウォーーン と 鳴り続ける景色に なじまむ 音に 我に帰るただ 野草の 香りだけが我が身を 包み込む心の旅 原景 爽やかな 朝日と光の中で 私は 目覚める