チャーシュー丼を食べ終わったちくまは、煮汁が残ったお鍋を見つめながら「油よ、水に……流れていただきたいッ!!」 と叫んでいた。

 そこへポコさんが、ファーストフード片手あらわれた。 

 「……ちくま、それ命令出したほうがいいヤツポコ?」 

 ちくまは真剣な顔でうなずいた。 

 「ポコさん、命令を……下してもらおうか」 

 ポコさんは赤いパンツをひっぱり直し、ちょっとカッコつけた声で言った。 

 「油よ、命令を下す。然るべき流路にて、ただちに流出せよ!」 

 「いけぇーッッ!!」 

 ちくまはその掛け声とともに、お湯をドバァァ、洗剤をジョボジョボ、スポンジでグルグル……泡がもこもこ、油はスルッと流れていく。 

 「大成チク!」

ちくまは勝ち誇った顔でポコさんにうなずいた。 

 「これは……大がかりな任務だったな……!」 

 ふたりでシンクを見つめて、しばしの沈黙。 

 そこへ、昼休みに帰ってきたワンコがひょっこり顔を出した。 

 「……えっ、油流したの?だ、ダメですワン~~!!排水管つまっていまいますワン……」 


 ちくまはそっと流しの下を見て、言った。

「……ちくまの誇りが、またひとつ流れていっチク……」