人間失格を読んで
「神様みたいないい子でした。」と締められるこの「人間失格」タイトルからはこんな締めの言葉になるとは一瞬も思わなかった。
作中で語られているのは、葉蔵の恥の多い生涯だ。
確かに葉蔵は酒に溺れ、多くの女性と関係を持ち、恥の多い生涯を送っていたのかもしれない。しかし、周りから見れば彼は「神様みたいないい子」だったのだ。
私はこの点にとても興味を持った。何故、葉蔵という人間は他人と自分でこんなにも印象がズレているのだろう。
私はよく、見た目はおとなしそうだが、性格は熱い、第一印象と違うと言われる。しかし、この印象の違いは彼のそういったものとは違うのだ。
なぜなら葉蔵は幼い頃から「道化」を演じていたからだ。彼は人間を極度に恐れていながら、それでいて人間をどうしても思い切れなかったのだ。これは彼の人間に対する最後の求愛だったようだ。わざとおどけてみたり、素直に見えるようにしたり、他人の事を優先させたり。とにかく人の為に動いているようにいい人を演じていた。そんな自分を心の中で恥じて生き続けた結果が、他人と自分の印象のズレにつながったのだろう。
この本を読んで、私も周りの目を気にして自分が思っていることは口にせず、当たり障りのない言葉を口にして自分を守ったことがあった。誰もがいつも素直に自分の感情を口に出すことは難しい。葉蔵のようにそんな自分を恥じて、本当の気持ちを内に秘め、その事を責め続けている人もいるのだろう。
神様にはなれないけれど、人の本当の気持ちが少しでも汲み取る事ができる、そんな人に、私はなりたいと思った。
本人が書く読書感想文という企画の性格上、メンバーの思い込み、思い入れおよび誤字脱字はあえてそのままにしています。 ご理解のうえ、お楽しみください。

