ここの蒸留所は気に入って、とても楽しかった。キースの駅から徒歩15分🚶♂️、同じくスペイサイドのストラスアイラ蒸留所です。
この建物、ヨーロッパ建築にしては、ちょっと東洋的な雰囲気を感じます。スペイサイドの蒸留所を幾つか設計した建築家が、日本建築に興味を持っていたそうで、その影響を受けて、こんな建物になっている、そうです。他にもそういった蒸留所があるようです。そうすると、古くても100年前くらいに、ということになるのでしょうか、この建物。
ストラスアイラは、アイラとつくので、アイラのウィスキーかと思ってしまいますが、スペイサイドなのです。アイラ島産のウィスキーは、ラフロイグやアードベックのようなピート香、いわゆるスモーキーフレーバーが特徴ですが、ストラスアイラは、スモーキーではありません。甘さと華やかな香りがキーワードです。
蒸留されたアルコールは、スピリッツと呼ばれます。昔は、蒸留されたものを、そのまま飲んでいたそうです。現在は、3年間、樽に入れて寝かせ、熟成させたものでないと、法律上、イギリスではウイスキーを名乗ってはいけないことになっています。
ここでは、50年ものの樽がありました。僕が生まれるより前に樽詰めされたものです。もちろん、一般向けではなく、市販はされません。プレミアのついた取引が行われます。50年ものの樽を見せてもらいました。樽の中のウイスキーの容量は驚くほど減っていました。叩いて確認すると、横に寝かせた樽の状態で、5分の1くらいになっていました。長期間寝かせるうちに、揮発していくのです。天使の取り分(angel share)と呼ばれます。
ガイドの途中で、ストラスアイラのシングルモルトが試飲に振舞われました。ガイドのお姉さんは、シングルモルトに誇りを持っているように見受けられました。ブレンドに使われた後にできる、シーバスリーガルよりも。最後は、試飲ルームに案内されて、シングルモルト、シーバスリーガルをテイスティングします。
スペイサイドで最古の蒸留所ですが、こじんまりとしていて、職員の方と距離が近い。ガイドのお姉さんは、ガイドが終わると、ショップの売り子になり、バーカウンターで、ドリンクも作っています。質問にもフレンドリーに答えてくれ、気軽に接することができます。ストラスアイラのシングルモルトは、美味しく、リーズナブルな値段で振舞われます。この小さなバーカウンターで、ちびちびウィスキーを飲みながら、思いの他、長居しました。ここからキースの駅までは徒歩で15分弱です。もう少し長居したいと思いながら、ストラスアイラを後にしました。