ここの蒸留所は気に入って、とても楽しかった。キースの駅から徒歩15分🚶‍♂️、同じくスペイサイドのストラスアイラ蒸留所です。

 
 
この建物、ヨーロッパ建築にしては、ちょっと東洋的な雰囲気を感じます。スペイサイドの蒸留所を幾つか設計した建築家が、日本建築に興味を持っていたそうで、その影響を受けて、こんな建物になっている、そうです。他にもそういった蒸留所があるようです。そうすると、古くても100年前くらいに、ということになるのでしょうか、この建物。
 
 
ストラスアイラは、アイラとつくので、アイラのウィスキーかと思ってしまいますが、スペイサイドなのです。アイラ島産のウィスキーは、ラフロイグやアードベックのようなピート香、いわゆるスモーキーフレーバーが特徴ですが、ストラスアイラは、スモーキーではありません。甘さと華やかな香りがキーワードです。
 
 
ストラスアイラの創業は1786年で、スペイサイドで最も古くからある蒸留所です。日本だと江戸時代、松平定信が寛政の改革をしていた頃です。参考までに、北アイルランドのブッシュミルズは1608年創業です。
 
 
ガイドツアーは、16時から、時間は1時間半と言われました。参加できます。ここからキースの駅までは、徒歩で15分なので、安心して時間をかけられます。
 
 
それまでの間は、バーで、ここ産のウイスキーを飲んだり、中をうろついたりして待っています。ストラスアイラの15年が、シングルで£3.50。お買い得だと思います。
 
 
ショップもこじんまりとしています。
 
 
シーバスリーガルとありますね。ストラスアイラは、シーバスリーガルを作る原種の一つです。シーバスリーガルは、ブレンディッドウイスキーで他にも幾つかの蒸留所から作られたものを混ぜます。混ぜないものは、モルトの場合は、シングルモルト、グレンウィスキーの場合には、シングルグレンと呼ばれます。シーバスリーガルは、世界的に有名で、どこでも見かけますね。メニューにある、ストラスアイラ 12years oldとあるのが、ここの蒸留所のシングルモルトになります。£3です。
 
 
ツアーは、ガイドのお姉さんが、サービス精神旺盛に進めてくれました。ウィスキーのできる工程を、順次見せてもらったのだけど、写真撮影は基本禁止です。特に、蒸留に使う、蒸留器は、その形状によって、ウィスキーの味が変わるという企業秘密なのです。
 
 
蒸留されたアルコールは、スピリッツと呼ばれます。昔は、蒸留されたものを、そのまま飲んでいたそうです。現在は、3年間、樽に入れて寝かせ、熟成させたものでないと、法律上、イギリスではウイスキーを名乗ってはいけないことになっています。
 
 
ウィスキーの作り方は、僕は、特に詳しいわけではありません。他に詳細な説明があるサイトはいくつもあると思いますので、ここでは簡単に。蒸留で出来たアルコールは、無色透明です。これを樽に入れて長期間寝かせることで、琥珀色になっていくのです。12年もの、15年もの、20年もの、と年数が経つにつれ、希少度がまし、値段も高くなっていきます。味が滑らかに、マイルドになっていく感じがします。
 
ここでは、50年ものの樽がありました。僕が生まれるより前に樽詰めされたものです。もちろん、一般向けではなく、市販はされません。プレミアのついた取引が行われます。50年ものの樽を見せてもらいました。樽の中のウイスキーの容量は驚くほど減っていました。叩いて確認すると、横に寝かせた樽の状態で、5分の1くらいになっていました。長期間寝かせるうちに、揮発していくのです。天使の取り分(angel share)と呼ばれます。
 
 
ガイドの途中で、ストラスアイラのシングルモルトが試飲に振舞われました。ガイドのお姉さんは、シングルモルトに誇りを持っているように見受けられました。ブレンドに使われた後にできる、シーバスリーガルよりも。最後は、試飲ルームに案内されて、シングルモルト、シーバスリーガルをテイスティングします。
 
 
スペイサイドで最古の蒸留所ですが、こじんまりとしていて、職員の方と距離が近い。ガイドのお姉さんは、ガイドが終わると、ショップの売り子になり、バーカウンターで、ドリンクも作っています。質問にもフレンドリーに答えてくれ、気軽に接することができます。ストラスアイラのシングルモルトは、美味しく、リーズナブルな値段で振舞われます。この小さなバーカウンターで、ちびちびウィスキーを飲みながら、思いの他、長居しました。ここからキースの駅までは徒歩で15分弱です。もう少し長居したいと思いながら、ストラスアイラを後にしました。