父は開業医、母は薬剤師と社会的ステータスのある両親に育てられたA君。
お兄さんは国立大学へ進学。
「案外、期待外れだったな」と両親から言われる毎日を送っています。
残された両親の期待はいまやA君。
幼少のころから「医者になれ、医者になれ」と夢に出てくるほどの言葉を父から浴びせられ、英才教育も施されてきました。
心優しいA君は、その期待に応えようと必死に努力を続けてきたのですが、残念。
高校受験に失敗し、さらに私立底辺校への入学となりました。
高校時代は真っ暗な毎日を過ごしてきたA君。
入学当初から両親に「大学受験でリベンジするように」と大手予備校に通わされてきたそうです。
高3になったA君に私が話してみると、
「僕は競争が嫌いで、なんでも許してしまうし、なんかいつも譲ってしまうところがある」と絞り出すように言いました。
両親が期待する「勝ち抜いて、ステータスを手に入れる」というような野心とは程遠い性格だったのです。
音楽が好きで小さい頃からやっているバイオリンで音大に進みたいと思っているA君。
しかし、親の期待を裏切れないので言い出せない。
親からの期待と自分のやりたいことの間で「揺れる心」。
キャリアコンサルタントとしての私にいったい何ができるのか?
本当に悩んだ事例です。
しだいに音楽の成績も伸び悩んでいくA君。
さらに親からは私立の医学部、それもK大学以外は認めないという強い言葉が浴びせられ、どんどん追い詰められていきます。
親のブランド志向には応えたい気持ちはあるが、バイオリンもやりたい。
このモヤモヤにA君は、ますます勉強に身が入らなくなっていきます…。