このところ、東京近郊の観光地は、
比較的順調に客足を伸ばしているという。

消費は回復傾向にあるというけど、
レジャーに対する出費はまだ抑えられている。
それでも、連休となるとそれなりに遊びたいもの。
ならば、近場でコンパクトに楽しもうということになり、
箱根や伊豆などを目ざす人が増えたのだろう。

で、稲取温泉。

伊東、修善寺、下田などにくらべると、
ちょっとマイナーな場所だけど、
伊豆の中でも堅調なエリアで、
熱川や下田よりも観光客数は多くなっているとか。

もともと大きな規模の旅館が少なく、
住んでる人、働いてる人の地元意識が強いことから、
稲取温泉として取り組んでいるイベントが多く、
観光地としての特質が守られている。
それが理由のようだ。


たとえばこの「つるし飾り」。
これは、桃の節句のとき、
雛人形の周りに上からつるされたもの。

同様の趣向は全国各地に見受けられるが、
稲取が発祥だとか。
従来はお雛様だけのものだったけど、
今は端午の節句にときにも、
それ用のつるし飾りが行われている。

男女同権の世の中だから、とは建前としても、
いいところに目を付けたものだと思う。

もうひとつ、稲取温泉の特徴は、
地元漁港に水揚げされる魚介類の質が、
よそより高いことがあげられる。

地産地消や食の安全が注目される現在、
このアドバンテージはかなりのもの。

伊豆というと金目鯛や伊勢海老が有名だが、
いずれも稲取産のものが最上とされている。

そんなうまい魚介をたらふく食えると聞き、
「食べる宿 浜の湯」へうかがった。

なんたって、宿名が「食べる宿」だからね。


海の間際に建てられた宿の客室に入ると、
窓の向こうはひたすら大海原。
展望大浴場なんか、
高所恐怖症の人には向かないくらい。

で、メシ!



漁師町ならではの舟盛り!

鮮度と味に自信がないと、
こういうプレゼンテーションはなかなかできない。


鮑はバター蒸しでいただいた。

目の前で断末魔の鮑のもだえを見るのは、
正直言ってしのびない。
が、ここでは蓋をして蒸しあげるから、
ひたすらおいしく食べられる(笑)。



たいらぎ貝や伊勢海老、蟹の酢の物、フカヒレ茶碗蒸しなど、
魚介三昧は続く。


で、メインはご存じ金目鯛!

2人に1匹ド~ンと登場!!
甘めの味付けが地元らしさを伝えてくれる。


しめのごはんも金目鯛の炊き込み。

なんと贅沢なラインナップ。
これで値段はそこそこだから、価値が高い。



翌朝、最初に出されたのがこれ。

いわゆるトコロテンなんだけど、
この地域では四角く切って甘い蜜でいただくそう。


朝食ももちろん、魚介三昧。


朝から舟盛り!!


そして、伊勢海老の味噌汁。

魚介三昧に勝負を挑んでみたけど、
完敗でした。