ちょっと間が空いてしまったが、
福島の「おとぎの宿 米屋」のレポート再開!
いきなり夕食へとまいります。
こちらでは宿名のとおり、
おとぎ話にテーマにした夕食を展開している。
そう聞いて、陳腐な演出を想像したオレは、
おそらく、いや確実に、貧しい心の持ち主。
いや、それほどでもないけど(照)
オレがいただいた日の夕食は
テーマがかぐや姫っつーか竹取物語っつーか、
正しい名称は忘れてしまったが。
料理は物語のあらすじに沿って、
それぞれのシーンをイメージしているそうだ。
ここでひとつ大問題!
献立がどこを探しても見つからない!!
物語と料理名が書かれていたのに。
またその献立には、
使用した食材がすべて書かれていて、
驚くほど多くの野菜が使われていたことに驚き、
確認する楽しさもあったのに……。
なので、物語ははしょって、料理だけでも。
前菜として最初に現れたのがこの3皿。
どれも珠玉の出来栄えで、めっちゃうまかったんだけど、
献立がないから何がなんだか、さっぱりおぼえてない。
しつこい?
ちなみに、仲居さんが給仕の際に、
それぞれの料理に込められた物語を
さらりと説明してくれる。
これがさり気なく、素朴な趣があって、
あったかい気持ちにしてくれる。
思った以上の効果だと素直に納得。
宿おすすめの酒は地元の、「はちみつ酒」。
とろりとしていてコクがあり、
甘みを感じるのは最初だけで、
しっかりしたいい酒だ。
おっ! かぐや姫!!
と思ったら、黄身餡を射こんだみょうが。
その後も、かぐや姫の物語とともに夕食は粛々と進む。
御覧のとおり、たくさんの食材が美しく仕上げられていて、
割り下を使い、トマトのほかにクレソンが入ってる。
いただいてみたら、もう絶品!!
ほんのり酸味が加わって、肉があっさり。
それでいて味わいは深い。
しめのご飯もデザートも手抜かりなく、
最後まで楽しい食事を堪能した。
こちらは本来、すべて地元食材を使用しているのだが、
福島県産食材が不安視されている今は、
泣く泣く他府県産のものを使用しているそうだ。
それは、料理人や経営者の理想や理念に反することで、
コスト面から考えても、宿にとってのダメージは大きい。
そんな中での細やかな仕事ぶりには、
この宿のもてなしの姿勢が表れていると思う。
で、こんなにうまい飯が食えるなんて、
正直脱帽。
飯を目当てに再訪したいくらい。