日奈久温泉を歩いていると、
いたるところにちくわ屋があるのに気がつく。
なんでも、日奈久ちくわは、
九州一円でブランド品として認知されてて、
偽者が登場するくらい有名なものらしい。
ある店で試食させてもらったら、
確かにうまい。
原材料をたずねたら、
「鱧(はも)」だと教えてくれた。
そりゃあ、うまいはずだ!
それを、他の店で話したら、
「ウソ」だって。
この辺じゃ鱧なんかもうとれないし、
そんなの使ったら採算が取れない。
ありきたりだけど、スケソウダラで、
北のほうから取り寄せてるものだって。
ま、そりゃそうだろう。
しかし、だまされたオレも脇が甘かったし、
ほんの冗談のつもりだったのかもしれないけど、
あんまりほめられた接客じゃない。
同じスケソウダラを使ってても、
日奈久ちくわの方がうまい理由は、
結局、わからずじまいだった。