仕事でお世話になっている「星野リゾート」広報Sさんより、

なんかおいしそうな宴のお誘いをいただいた。


日時は某月某日(金曜)夜

場所は軽井沢ホテルブレストンコート「レストラン ノーワンズレシピ」


仕事が立て込む時期だけど、

目の前にぶら下がったニンジンを追って、

片っ端から片付けまくり、

なんとかぎりぎりに新幹線に飛び乗った。


軽井沢駅に着いたら、そこは一面銀世界。

東京も寒かったけど、軽井沢は桁違い。


タクシーの運転手さん曰く、

「今夜は-7℃になりますよ」


冷凍庫より温度低いじゃん。



雪道もスムーズに走るタクシーのおかげで、

宴は始まっていたものの、

食事がスタートする直前にテーブルについた。


実はこの日の宴についての予備知識はゼロ。


その趣旨は後で知ったのだが、

「ボキューズ・ドール」なる国際料理コンクールの、

国内予選的な日本大会が行なわれ、

軽井沢ホテルブレストンコートの

メインダイニング料理長・中州達郎さんが優勝、

副料理長・坂家剛史さんが3位と、

同じホテルから2人受賞という快挙を成し遂げたとか。


そのお祝い&お披露目と、

仏・リヨンで行なわれる世界大会の壮行会を兼ね、

前述2氏と、2004年の同日本大会で優勝した

総料理長・浜田統之さんの合作メニューが提供されたのだった。


ま、うすうすは知ってたんだけど、

その程度の認知では失礼だったと反省。


テーブルに用意されていた資料によると、

この日のテーマは「冬の生命力」。


人や動物が厳冬期を乗り切るために、

生命力に富んだ冬の信州の食材を使用するそうだ。


期待が膨らむ。



スキマ日記ANEX

まずは、「信州遠山郷産 鹿のエッセンス」


左にあるのは、鹿の血を混ぜたチョコレート。

右はしょうがのきいた鹿のコンソメ。

これに、小布施ワイナリーの「スパークリングE1」。


チョコレートを食ってコンソメを飲み、

スパークリングワインを飲むと、

クセ同士がぶつかり合った後に、

甘くまとめる感じで面白い。


ちなみに、鹿は遠山郷の名産。

以前行ったことがあって、

鹿や猪、熊など「山肉」三昧をしたことを思い出す。


あの時は、料理店に満ちた獣臭に閉口したけど、

ここまで洗練されると、ジビエのありがたみがよくわかる。


スキマ日記ANEX
お次は「佐久鯉のプレステリーヌ

信州リンゴのコンフィチュールとともに」

鯉といえば佐久。東京で鯉を扱う店は、

こぞって佐久産を用いるほどの特産品だ。


スキマ日記ANEX

主役は脂の乗った冬の鯉と、

信州りんごを煮詰めたものを重ねた一品。


横の丸いのはフライドポテトのセルクルに

小さな小さな香草サラダが入ったもの。


甘酸っぱさで包み込まれた鯉は、

川魚とは思えないほどコクがあり、

香草で口直しってな感じ。


ちょっと重かったんで2個ずつでもよかったんだけど、

合計4個じゃ縁起が悪いから6個にしたのかな?

スキマ日記ANEX

さらに「チーズのフランを忍ばせた

東御産キクイモのポタージュ 黒とリュフの香り」


上にのってるのは、刻み海苔?

昆布の佃煮の「松葉」?


なんて思ってたら、トリュフだよ。


泡の下は、洋風茶碗蒸し。

「全体を混ぜ合わせて召し上がれ」と言われ、

さっそくぐちゃぐちゃに。


パルミジャーノレッジャーノも入ってて、

ベーコンのいぶしたような香りも漂って、

なんとも幸せな味わいだ。


スキマ日記ANEX

ここまで、料理に合わせて

ワインがサーブされてたんだけど、

イマイチ体調がよくなくて味わう程度にしといたら、

グラスが並んじゃった。


オレの前だけ居酒屋か!

スキマ日記ANEX

さてこれは「旬の根菜と信濃雪鱒のポワレ

姫クルミ風味のサバイヨンソース添え」


こないだ、「藤井荘」でいただいて以来、

信濃雪鱒はオレのお気に入り。


その信濃雪鱒が蕎麦粉に包まれて

焼き上げられていた。


スキマ日記ANEX
取り分けられた信濃雪鱒には

皮のシガー仕立てと、蕎麦の実のあられがかかり、

下には蕪のマッシュ。


スキマ日記ANEX

で、このサバイヨンソースをかけていただく。


さまざまな味わいが渾然一体となってて、

淡白な信濃雪鱒が表情豊かに変身!

スキマ日記ANEX

メインは「パンデピスのクルートに包まれた

フランスシャラン産鴨のロースト、ソースカルヴァドス」


西洋の料理は名前が長くていかん。


スキマ日記ANEX

鴨の見事な焼き加減がまず重畳。


味わいは、言わずもがな。

「美味い」以外の言葉はいらないっしょ。


スキマ日記ANEX

プレ・デセール「金柑のコンポジションと

ショコラブランのエスプーマ」


雪印はレモン風味のメレンゲ。

色んなスイーツに姿を変えた金柑を、

これまた混ぜ混ぜしていただいた。

金柑って、体に良さそうで気分もいい。


スキマ日記ANEX
デセール「信州花豆と布引きイチゴのマリアージュ

清水牧場のミルクアイスと合わせて」


イチゴと煮豆、この取り合わせは、

意外にもわかりやすいおいしさで目から鱗。


そして何よりも清水牧場


羊たちは元気かな~~。


スキマ日記ANEX

最後は「小菓子5種」

このプレゼンテーションがいいんだ。

長野県各地の特産品を使ったことを表すために、

地図と地名、食材名が書かれたペーパーに、

それぞれの小菓子が置かれている。

グラスに入ったのが、ヤマドリダケの生キャラメル。

スキマ日記ANEX

高木村のパッションフルーツと栗のシュー

スキマ日記ANEX

日本酒漬けした市田柿のチョコレート

スキマ日記ANEX

ルバーブの皮の飴漬けをあしらった

ルバームジャムとフランボワーズのマカロン

スキマ日記ANEX

千曲産杏のパートドフリュイ

THE 地産地消!



創意工夫に満ちた“長野フレンチ”は、

目くるめくひとときだった。


どこか頑張りすぎな感じもしたけど、

その意気込みもまた心地いい。


これほどの人材を育てている

星野リゾートという会社にも感服した。



世界大会での健闘を祈ってます。