たった1泊2日の短い時間だったのに、

「石亭」でのひとときは深く心に刻み付けられた。


前日のうちにお願いしておいた「うえの」の穴子飯は、

帰路の新幹線で昼飯としていただいた。

穴子もご飯もすっかり冷めてるのに、香ばしくて柔らかくてふくよかで、温かい。

シンプルだからこそ、それぞれ徹底してるんだろうな……。

なんて思ってるうちに、あっという間にたいらげちまった。

われながら、きれいに食うもんだ。


オリジナルの「銀つば」は、

つまりは「金つば」なんだけど、

あんがふっくらしてて秀逸。

これは仕事先のおみやげに。


「石亭」で唯一、心残りだったのが、

お目にかかるはずだったご主人が体調不良のため、

お会いできなかったこと。


あれほどの宿をつくりあげたのは、

ひとえにご主人のセンスと努力の賜物。


スタッフの方々の

見事と言っていいほどの対応も

宿に脈々と受け継がれる何かがあるからこそ。


だから、その何かを知りたかったんだけど、

「それはまたの機会にと」という思し召しかな。


そんなこんなの思いを、

御礼とともにご主人にしたためたら、

思いがけないプレゼントをいただいた。


それは、瀬戸内の穴子料理2種。

ひとつは、穴子飯の「うえの」の穴子の白焼。

冷凍の状態で届いたものを自然解凍して、

串を打って、タレを塗って、両面炙ったら、

驚くほど香ばしい焼き穴子が出来上がった。


これ、すげぇぇ!!



もうひとつは笹巻の「あなご寿司」。これをそのまま蒸したら完成!

酢飯で焼き穴子と椎茸をサンドしたものに笹の香りが移ってて、

これまた風味絶佳!!



ありがたいことに、

「石亭」 の感動はいつまでも冷めないどころか、

いや増すばかり。