先日、広島の宮島対岸にある旅館にうかがっていたとき、

フードジャーナリスト・エッセイストの

向笠千恵子さんから電話があった。


仕事の話が主だったんだけど、

たまにこのブログを読んでくださってるとのこと。


まことにお恥ずかしい限り。



向笠さんについては、ここここ をご参照あれ。



で、広島に来ていることを告げると、

早速、おすすめのおいしい店を教えてくれた。


が、この日は旅館泊なので夕食は付いてる。


旅館名を言うと、向笠さんも当然のごとくご存知で、

またまた、いろいろな情報を教えていただいた。


「そこから15分の所に、

おいしくてかわいらしいドイツ菓子のお店があるのよ」


それはもしかして、仕事で広島を訪れたとき、

『旬遊』(HP )の杉川さんのご紹介で、

一緒にお目にかかったことがあったあの若者の?


そう、以前の連載の取材で、

山口県の周防大島を訪ねた折、

案内をしてくれたのが『旬遊』主宰者の杉川さんで、

広島駅で新幹線を待っている間に、

ドイツ菓子店を立ち上げた若者を紹介してくれた。


本場ドイツで修業してきたという彼は、

まだ少年のような面差しながら、

不動の向上心みたいなものが感じられたことを覚えている。



厳選・吟味した材料のみを使用した、

ドイツ菓子やパンを扱う店の名は、

「コンディトライ フェルダーシェフ」(HP )。

彼の名は、田頭 享さん。


田頭さんの菓子は、

泊まっていた旅館にも納められているとかで、

スタッフの方に話してみると、

「今日もさっき、ケーキをオーダーしました!」とのこと。


連絡先をうかがって電話で挨拶し、

スケジュールの都合で店にはうかがえないことを詫びた。



翌朝、スタッフの方から菓子の詰め合わせをいただいた。



昨夜、田頭さんが持ってきてくれていたのだそうだ。


スタッフの方は部屋に上がるようすすめたけれど、

田頭さんは「風邪をひいているから移してはいけない」と、

固辞されたのだとか。


なんと律儀な。


こっちは万年風邪っぴきみたいなもんだから、

顔を見せてくれればよかったのに。



うちに帰ってお店のことをネットで調べたら、

ドイツ農業組合のコンテストで日本人で初めて金賞をとるなど、

早くも素晴しい成果をあげている様子。



このバウムクーヘンは2年連続の銀賞受賞作だそう。


その味わいは、しっかりと焼き重ねた層がほどけていく感じで、

ひかえめな甘さのあと、淡い口溶けと後味が楽しめる逸品!!

お目にかかった後もたゆまぬ努力を続け、

いっそう立派になって……。


感服するほかない。



うかがわなければならない店がまた増えた。


「コンディトライ フェルダーシェフ」の詳しいことは、

こちら をご覧あれ。