「アンジン」の食事は、
新しい旅館の定番である食事処にて。
ちなみに、洋食と和食に分かれていて、
オレは迷わず和食を選択。
そのほかに、伊東の寿司屋かステーキハウスを
選ぶこともできるというのが目新しい。
食事処は障子で仕切られていて、
土曜の夜らしくたくさんの客でにぎわっていた。
では、登場順に。
春野菜を胡麻白味噌風味で。
産地を聞いたら、京都や山形とか……。
なんでも伊豆という土地は畑が少なく、
地物の野菜が少ないのだとか。
ま、仕方ないか。
伊東の地酒「池の里」をいただいてみたら、
甘くなく辛くもなく、なかなかのもの。
冬瓜のうに包み じゅんさい添え。
うにとともに蒸しあげてあるんだけど、
味付けが絶妙に程よくて、
ひとり笑いながら食ってた。
そらまめの揚げだし風、わさび風味。
椀物としてはつゆが少ないんだけど、
アイディアが良くて納得。
新しい宿だけど、なかなかやるじゃん!
給仕はいちおう決まった人がやってくれるようで、
オレの所に運んでくれた男性スタッフは、
細かい質問にも丁寧に答えてくれるという切れ者。
こういう人がいると食事の時間も引き締まる。
おつくりは金目鯛、イサギ、マグロ。
添えられてた醤油は、名古屋「盛田」の溜り醤油。
料理人の間では有名らしく、
溜り醤油の割りに甘さが薄く、コクがある。
ただ、マグロは余計だったかな。
穴子と生湯葉、菜の花の紙鍋仕立て。
ここで鍋物が出るから、
椀のつゆが少なかったんだな。
日光の生湯葉も穴子も鍋仕立てにぴったり。
ここまで、かなりバランスよくて楽しい!
和えもの三種とりあわせ。
中でも左の合鴨オレンジ酢味噌が絶品。
オレンジ風味の酢味噌って、いいじゃん!!
新じゃがいもと鶏そぼろの五色饅頭。
これは見た目の勝利。
もちろん、味も良かったけど。
金目鯛の柑香姿煮。
半身なんだけど、
ドカ~ン!って感じで登場。
ここまであまりお腹にたまるものがなかったから、
このくらいあってもいいのかな……。
途中、ニューサマーオレンジ1個分を絞って、
かけていただいてみたら、
サッパリした味に変身して、
箸が進むこと進むこと。
飲み物を伊豆大島の麦焼酎
「御神火いにしえ」に変えてみたら、
大分の「兼八」っぽい香りがあって上々。
煮つけにもよく合って、
焼酎も進むこと進むこと。
酒の種類はそんなに多くはないけど、
それぞれにこだわって選んであるようだ。
この通り、ペロリ!
ごはんと味噌汁の位置が違うような……。
ごはんの炊き加減が硬めでオレ好み。
すべて残さず平らげた。
伊豆産のイチゴ「紅ほっぺ」のあんみつ。
あんことバニラアイス、黒蜜のバランスがいい。
野菜はなくとも、海の幸に恵まれた伊東らしく、
肉を省いた意欲的なメニュー構成が面白かった。
味付けも、変に京風や懐石を追うことなく、
ある意味気取りがなくて好印象。
いい意味で、大きく期待を裏切られた。
翌朝も和風か洋風が選べて、オレは迷わず和風!
10時30分までの間の好きな時間に行けばいいという
気軽なところが気に入った。
伊豆の柑橘のジュースと
「ぐり茶」からスタート。
ひとまとめで出てくるんだけど、
このくらいならかえってそのほうがいい。
でも、伊東名物・アジの干物は焼きたて。
味噌汁には地海苔が入ってて香味豊か。
量も味も程よくて、またまた満足。
ただ、ご飯の炊き加減が、
昨夜と全然違ってたのが気になった。
このように、「アンジン」は新しさに似ず、
なかなか練れたところがあって大健闘!
さすがにバックが大きいと違うな。
今度は海側の部屋か離れに泊まりたいな。
「アンジン」の詳しいことは、こちらに。