紫陽花は、今日も涙を流している。



葉先に溜まって、地に落ちる涙。



ぽつり。。。



朝霧に包まれた、淡いグラデーションの花々も、朧気て。



どこか寂しいんだ。



俺の瞳を潤す朝露。



ぽつり。



それを見ていた、かたつむり。



ゆっくり頭を殻に沈めた。



かたつむりの優しさが、何だか身に染みた。



朝霧晴れた紫陽花は、とても美しく、明るい笑顔。



俺も涙を拭かないと。



紫陽花のように笑ってみせた。



それを見ていた、かたつむり。



ゆっくり頭を殻から出した。



笑顔の紫陽花。



笑顔の俺。



笑顔のかたつむり。



こんだけ太陽がありゃ、雨雲だって吹き飛ぶさ。



梅雨なんて早く明けちまえ。
強がって。



強がって。



自分の弱さを知る。



胸の中に突き刺さる自己嫌悪。



でも、強がることしかできねぇんだ。



強がって。



強がって。



誰かに気付いて欲しいと思ってんだ。



自分の弱さを。