Take.siorangeのブログ

Take.siorangeのブログ

ブログの説明を入力します。

Amebaでブログを始めよう!
*2
江藤雅和は苛立っていた。
積もり積もってきた日頃のストレスがついに限界に達したのだろう。
江藤は持っていた缶を握り潰そうとしたが、彼の握力ではスチール缶を変形させる事すら出来なかった。
更に苛立ちを覚えた彼は缶を川に投げ捨ててしまった。
江藤のストレスがたまり始めたのは四ヶ月前の離婚からだった。
前妻とは27歳の時に籍を入れ、かれこれ七年もの間を共に過ごして来ていた。
夫婦仲は悪くは無い。むしろ世間の彼等に対する印象は全く逆のものであった。
では何故今回離婚する事になったのか。
江藤にもわからなかった。
ある日家に戻ると部屋中に物が散乱し、家中の電気が付いていた。
聞けば大掃除をしていたのだという。
江藤が律儀な性格であることと、仕事帰りなのに家が騒々しいという状況から、嫁の事がどうしても許せなかった。
しかし七年間も共に暮らして、これだけの理由で離婚なんてするはずがない。
江藤は頭ごなしに妻を怒鳴りつけ、
こんな汚い家で飯が食えるか。俺が外から帰ってくるまでに綺麗に片付けておけ、さもないとお前みたいな奴とは離婚する。
と言って出て行ってしまった。
もちろん江藤はああ言ったものの離婚をする気なんて毛頭無かった。
約一時間が経過し彼が家へ帰ると電気は切れ、廊下にはチリ一つ残っていなかった。
江藤は先程言ったことを謝ろうと妻を探し始めかけたが、リビングのテーブルの上に一枚だけ置いてある紙を見つけ、探すのをやめた。