クラブへと出かけると「RED BULL」や「MAGUNAM」といった滋養強壮系ドリンクを、隠す事無く飲みながら踊っている男女をよく見かける。
そんなに今夜、気合を入れなければならない理由があるのだろうか。
そのヤル気満々度を、異性から見られて恥ずかしくはないのだろうか。
それともジャマイカ式のアピール方法なのだろうか。
もし日本で「リポビタンD(大正製薬)」を飲みながらクラブで踊っていたら間違いなく周りから「ファイト、一発!」と励まされてしまうだろう。
その国では常識な事でも、他の国ではそうでない場合もあることをこの事例から学んだ。
何が正しくて、何が間違っているのかなんて各個人の単なるひとつの見解にすぎない。
まずは、その事実を受け入れる事が先決だ、と思った僕は後者のほうをトライしてみた。
「う~ん、マズイ。」

お世辞でも美味いと言えない味。
日本のそれらの味とはまた違い、容量も多く半分以上も残してしまった。
が数分後、「マグナム」と化した自分がそこにいた。

16才から飲酒・喫煙が合法の国もあれば、21才まで許されない国もある。

大麻が合法の国もあれば、所持しているだけで死刑となる国もある。

18才からエロ本を買える国があれば、販売する事自体を違法としている国もある。

この「差」は、いったい何なのだろうか。

そして、子供の頃にあるおじいさんと話した会話を思い出した。


「どうして戦争に行ったの?」

「仕方がなかったんだ。みんな行っていたから、そういう時代だったんだ。」


「どうして、みんな好きでもない仕事に窮屈な電車に乗って行っていたの?」

「仕方がなかったんだよ。みんな行っていたから、そういう時代だったんだ。」


どうやらこの星では、ものごとの良い悪いはその国の支配者によって法律によって裁かれるようだ。


~国が変われば常識も変わる。そして、時代が変われば常識も変わる~




レゲエの神様、ボブ・マリーが生まれた町、ナインマイルズに行くことにした。

先日、ボブマーリー・バースデイパーティーに行った時に訪れたのだが、夜遅く到着したためボブマーリーの旧家がある記念館は、残念ながら閉館しており涙を飲んだので、今日再びそこへ訪れることにした。
お金を節約するために、公共のバスを使って行くことに。
バスの停留所に行き、行き先を告げるとハイエース位の大きさの車に乗せられた。
車内で出発を待っていると次々と乗客が増えてくる。さらに続々と...。
出発したときには合計20人もの人が乗っていた。
まさに鮨詰め状態である。しかも最後部の人は大きなキャリーケースを膝の上に抱えている。
俺は思い切って運転手に「だいじょうぶ?」なのか聞いてみた。
すると、彼は「100ニンノッテモダイジョウブ。」
地獄絵図と化した車内。
狭さと暑さと乱暴な運転に耐えること1時間半。
エコノミー症候群に、
なりかけながらも中継地のディスカバリーベイという町に到着した。
バスの停留所を探し、車内に乗り込むと、再び前回と同じ状況であった。
さらに揺られること30分。ブラウンズタウンという町へ到着した。
バス停を探しているとタクシーの運転手が「ここからバスは無いよ。」と言って来た。
疲れもあったので、渋々タクシーで行く事にした。
30分後、ようやくナインマイルに到着。

それは街から遠く離れた山の中にあった。
車から降りるとすぐに3人の若者が凄い勢いで、ボブマーリ記念館を案内してやるから俺達について来いというのでそれについて行くことにしたのだが...。
そこへ行く前に「俺達のハーブプランテーションに連れて行ってやる」と俺達を案内しだした。
怪しいと思った僕は、本当に彼らが記念館のガイドなのか聞いてみたが「そうだ!」と言い張るのでついて行った。
車道から少し入った森の中にそれはあった。
写真撮っていいぞ。と言うのでそれを撮ると、いきなり彼らの形相が変わりここまで案内してやった分、ガイド料50ドルを払えと脅してきた。
隙を突いて逃げる事を考えたが、ここは山の山の中。

そんなことをすれば、山を彷徨う落武者となってしまう。
そしてご職業柄、拳銃も持っていることも否定できない。
かといってここで、やすやすと金を払ってしまっては日本男児の名が廃る。
そう色々と打開策を打ち立てているうちに、その場の緊張感はさらに高まっていく。
相手の金への執着心が強いと読んだ僕は、自分が受けるダメージ量を少しでも減らす策をとる事にした。
呼吸を整え、身体を大きく高く「ウン!」と伸ばし、相手を興奮させないよう徐々に、甘く切ないボイス&トークで交渉していく。
「ここで金を払ったら家まで帰れなくなる。」
「俺は日本からボブマーリーに会いに来たんだ。大好きなんだ。お前はボブマーリーが好きでは無いのか?リスペクトはないのか?」
などとなるべくポジティブな言葉で、僕と相手との心の溝を埋めることに専念した。
すると彼らは少し勢いを削がれたらしく、一瞬躊躇したのを感じた。
今がチャンスと踏んだ僕は10ドルだけ相手に渡し、足早にその場を立ち去った。
困難な状況の時にこそ、ポジティブな発言は目の前の障壁を取り除いてくれることを再確認。
そして、どんな悪人や犯罪者でも調和というエネルギーから生まれて来るという事を。


すぐに記念館の中に入ろうとしたがなかなか、入り口らしきものは見つからない。
すると1人の青年が「もう少し下ったところにあるよ」と言ってきてくれたのだが疑似暗鬼に陥っていた俺は冷たく
彼をあしらってしまった。
恐る々そこへ行き、扉をノックすると鉄の扉開いた。
そこの警備員に聞くと、治安があまりよろしくないため、門は常に閉じているのらしい。


ボブの旧家のまわりは、静かで空気も綺麗で遠くまで見渡せる高台にひっそりと建っている。

敷地内を見学していると、彼が瞑想の時によく座っていたといわれる岩を発見した。

ボブと小学校時代の同級生であったというガイドマン曰く、毎回彼は曲を作るときになると、この旧家に帰ってきて作り、レコーディング時やライブの時だけ街へ下って行ったのだという。

彼のポジティブで穏やかな、あのリリックのルーツは、このへんから来たのだろうと感じた。

世界の多くの修行僧も修行の場としているように、山というのは人間の未知なる力を開眼させる不思議なパワーを秘めたスポットであるのかもしれない。


そして彼の眠るお墓に行きロウソクをあげ、祈りを捧げた。
ボブパワーのおかげなのか記念館を出る頃にはスッカリ穏やかでピースフルな気分になっていた。



「相手と険悪になりたければ自分との相違点を述べ、相手と親しくなりたければ自分との類似点を述べよ。」





最近なんだか、やたらと眠気を感じてしまう。
時差ボケはとっくに終わっているはずなのに、少し座っていたり休んでいるだけで、生まれたての赤子のようにスヤスヤと眠りに落ちていってしまいそうになる。
見慣れない風景や、聞きなれない言葉など、新しい環境が俺の脳細胞を激しく刺激した為だろうか。
あまりにも大量の情報が頭に注入され、それに伴った情報処理が出来ていないのがこの原因となっているのだろう。
寝起き・寝つきも悪く、まるでWindows95ばりの立ち上がりの遅さと終了の遅さだ。

だが、脳を守るためのリミッター機能(睡眠機能)が働きだしたのかと思うと、自ら感謝の念を感じざるにはいられない。
人間は特に寝ている間に、頭の情報整理が行なわれるという事を本で読んだことを思い出した。
自らの経験から、いつもそうだったはずだ。


「たくさん寝た後は、新しいストーリーが始まる。」


よし、たっぷり寝てたっぷり休もう。