— その中には“ただならぬもの”が納められている?


真央「ねえ、まほろ。こないだテレビで、古い仏像の中から何かが出てきたっていう話をしてて…ちょっとゾクっとしちゃった」

まほろ「おっ、それは“納入品(のうにゅうひん)”のことかもしれないね。仏像の中に封じられているものって、ただの収納物じゃなくて“祈りの結晶”みたいな意味があるんだよ」


■ 仏像の中には“魂”が納められている?

真央「えっ…仏像の中に魂が?」

まほろ「うん。仏像ってね、ただの木彫りや金属じゃなくて、開眼供養(かいげんくよう)っていう儀式を通して“魂を入れる”んだ。そのとき、仏像の中に経文や五色の布、仏舎利、時には僧の遺髪なんかも一緒に納めることがあるんだよ」

真央「えっ、遺髪!?ちょっとそれ、ホラー映画っぽく聞こえる…」

まほろ「でもね、それは敬意と祈りの表れでもあるんだ。“信仰そのものを封じる”って意味で、ものすごく神聖なものなんだよ」


■ “開けると祟りがある”と言われるのはなぜ?

真央「でもなんで“開けちゃダメ”って言われるの?やっぱり…何かヤバいものが入ってるから?」

まほろ「理由はいくつかあるんだけど、一番は“開ける=供養の破壊”だから。信仰の形を壊すことになるから、不敬とされてる。
しかも、仏像は“魂の器”だから、不用意に開けたり壊したりすると、そこに宿っていたエネルギーが不安定になってしまうんだ」

真央「つまり…本当に“封印”ってことなんだね」

まほろ「そう。特に密教系の仏像なんかは、結界や真言の力を帯びてることも多いから、触る人の波長によっては何かがズレることもある。
実際、修復で仏像の中を開けたら、開けた人に不幸が起きたって話もあるしね」


■ 実際に出てきた“中身”とは?

真央「じゃあ、実際に中から出てきたものってどんなのがあるの?」

まほろ「有名なのは、江戸時代の仏像から“人骨”が出てきた例や、奈良の仏像から大量の小さな仏像が出てきたケース。あとは、金属板に梵字(ぼんじ)で呪文を書いたもの、鏡、五輪塔のミニチュアなんかもあるよ」

真央「うわぁ…まるで時空のカプセルだね」

まほろ「その表現、いいね。まさに過去の祈りや思念が封じられた“タイムカプセル”ってわけ。
でも、封印を解くには“それなりの覚悟”が必要ってことは忘れちゃいけない」


■ 封印を解くべき時とは?

真央「でもさ、修復とかでどうしても開けなきゃいけない時ってあるよね?」

まほろ「うん、そういう時は、専門の僧侶や仏師がちゃんと儀式をして、“失礼します”って丁重に扱うんだよ。
信仰がある限り、開ける行為は“対話”でもあるから、勝手にガバッと開けるのは絶対NG」


■ 仏像の中に宿る“教え”とは?

真央「ただの像じゃないってことが、ちょっと怖いけど…すごく神聖でもあるんだね」

まほろ「そうだね。仏像は“祈りの結晶”であり、“教えの器”でもある。
私たちが今生きているこの世界の裏側に、目には見えないけど大切なものがある。
そのことを静かに伝えてくれている存在なんだよ」


🪷まほろのまとめ

  • 仏像の中には、経文や遺髪など神聖な“納入品”が封じられている
  • 封印は“祈りの結界”であり、軽々しく開けてはならない
  • 仏像はただの像ではなく、信仰のエネルギーが宿る“魂の器”
  • そこには、先人たちの願いや畏れが詰まっている

真央「私、今度お寺に行ったら、仏像の背中にも…そっと手を合わせたくなっちゃうな」

まほろ「それはとても良いことだよ。たとえ見えなくても、“そこにある”ものに敬意を向ける。それこそが、信仰の原点かもしれないね」