またまた権丈氏の鋭い見方をご紹介。
もしかして民主党のやり方って物凄い高度なやり方だった・・・?
(まあそんなことはありえないけどw)
勿凝学問129 政権奪取、民主党の確かな手応え?――無責任なことを言えば言うほどうまくいく
(PDFですので注意!)
飛行機のなかで読んだ日経の記事「決戦の年、与野党幹事長に聞く、自民幹事長伊吹文明氏、政界再編の主導権争う」中の伊吹幹事長の言葉、「民主党のような財源の裏付けのない人気取りだけの公約では日本は沈没する」が記憶に残っている。確かにその通りだと思う。しかし、民主党の人気とり政策に対する世間の対応のなかには、どうも妙な動きがある気がしないでもない。そのことについて書いておこうと思う。
昨年末、例年の如く、10年ほど前にケンブリッジで過ごしていた面々で集まった。当時の学生は立派な研究者に、当時の若手官僚・裁判官は今や中枢の仕事を担当していたり、なかには政治家になっていたり、次第に同席する連れ合いが増えていって今や毎年20人ほど集まる彼らと、年に一度会って話をするのはなんともおもしろい。キャラクター的に促されて僕が「じゃぁ今年もやるか」とみなにメールを出す役回りの、未だ名前もない会については、勿凝学問70にも触れているのでご参照あれ。
さて、昨年末の会の日の朝刊に、前日12月28日に民主党が道路特定財源の暫定税率廃止をアピールするビラ「民主党の税制改革でガソリン25円値下げできます」を作成し国会議員や全国の県連事務所に送付した記事が載っていたので、時節柄(?)その話題になった。彼らは地元に帰れば「道路を作ります」とも言っているようで、いつもながら財源問題なしの「人気とりだけ」で勝負をしようとする民主党はあたま痛いねという会話のなかで、いつのまにか、「彼らに政権でも獲らせないとあの政党はどうしようもないですよ」という流れができていた。
民主党の言うことを素直に信じる層はそれはそれでいるのかもしれない。けれども、野党第1党が「人気とりだけの公約」を掲げ続けているのはこの国の危機と判断できる層のなかに、「彼らに政権でも獲らせないと・・・」という流れが出はじめているのが、わたくしにとってなんとも興味深い。
ひょっとして彼ら民主党は、そうした流れになるのをねらった高等戦術をとっているのかもしれない――彼らが無責任なことを言えば言うほど、政権奪取に確かな手応えが生まれてくる(笑)。いやはや、この国の民主主義のレベルはなんとも(T_T)トホホッ
もう一つは「小泉改革の正当な後継者は民主党!?」
そうか、小泉のDNAは一番民主に引き継がれてたのか・・・!
勿凝学問178 度を超えた官僚叩きという小泉路線の一番の後継者は小沢民主党だろう――小泉氏引退表明の日
(これもPDFですので注意!)
(一部抜粋)今の自民党は、総裁が自公からなる全閣僚に「官僚を使いこなす」というような、いかにも大衆受けしなさそうなやわなことを指示するほどに、(僕的には)あまりにも正しいことを言うようになってしまったので、小泉安倍路線が採ってきた霞ヶ関をぶっ壊す路線での浅はかな政権浮揚策をとるDNAは、民主党にしか遺伝されていない状態になっている。この国の国民相手に財源の話などしていては政権などとれるわけがないじゃないかとうそぶく小沢民主党にとって、官僚叩きが生命線になるのは、論理必然的な帰結である。見わたせば、負担の話などをしたら国民的人気など維持できるはずがないではないかとうそぶいて、政官のあり様を勧善懲悪仕込みの三文劇場に仕立て上げた小泉路線の正統な後継者は、小沢民主党の他にないように見える。小沢民主党は、財源問題を突かれれば突かれるほど、官僚叩きをエスカレートさせるだろう。
ちなみにコレが書かれたのは2008年9月26日。今ほぼこの予想のまんま進行している・・・!