食べログというサイトがある。
食事をし、その感想文と評価点をそれぞれが付けるという
口コミサイトの一種で、多くの人が店選びの基本にしているようだ。
僕自身、ご多分に漏れず見知らぬ土地で食事をする際は
かなりお世話になっている。いつも有り難うございます。

運営に対して言いたいことはマウンテンだが
ここではあえて大きくは触れずにおくとして
特に東京にきてからは、点数と実像のかい離を強く感じることが増えた。
分かりやすくいえば
え?なんでこの店がこんな点数高いの?というケースが多いのだ。

もちろんほかの土地でも同様の現象はあるが
裏の点数(個別の口コミの評価)を注意深く見れば
ある程度「地雷」は避けられる。
しかし、こと東京においてはそうはいかない。
口コミが軒並み3.5点以上でも「地雷」だったりするから
もはや、何を信じればいいのか分からなくなるのだ。

正解を探す方法はいまもって分からないが
「地雷」を生み出すメカニズムは何となく分かってきた。
そして、「これは怪しいぞ」というポイントも。

まず一つは「人気店に入れたぞ」という高揚感だ。
東京でおいしい物を食べるにはとにかく並ばなければならない。
特にラーメン店が顕著だが、それ以外でも行列はあちこちにある。
長ければ1時間、あるいはもっと並ぶこともあるから
ようやく食事にありつけた時には、感慨もひとしおなのだろう。

しかしその「話題の店の話題の料理にありつけた」という気持ちが
正当な評価を阻害している恐れは大いにある。
そしてその高揚感が作り出す不確かな評価がまた人気を呼び
それにつられてきたものの高揚感をもたらすことで
この偽りの高評価は意外と長く続いていく傾向にある。

次に気を付けるべきは異常な「コスパ」へのこだわりだ。
気持ちは分かる。東京は物価が高い。
だから少しでも安くておいしいものを食べたいと誰もが願う。
しかしその「コスパ愛」が行きすぎて
「安くて量が多い。まずくはない」というレベルのものに
やたらな高評価がついているケースも散見される。

特に「立ち食いそば」でその傾向は顕著に表れる。
都内のそば屋で3.5以上の店は、かなりの割合で立ち食いなのだ。
しかし、別に見下すわけではないが、所詮は立ち食い。
実際いってみると、機械打ちの凡庸なそばが登場するばかりで
まあそりゃチェーンと比べればおいしいけどね…というオチが多い。

あとほかに注意すべきは「雰囲気」だろうか。
特に立ち飲みや焼きとんの店がその対象になるのだが
「昭和の雰囲気」「雰囲気最高」という口コミが多いと
ちょっと警戒した方がいいかもしれない。
そういう店は大抵、やたら狭かったり、うるさかったりするからだ。
そしてもちろん評価の割に料理はおいしくない。

まあ、あまり考えすぎても店が決まらないし
相性みたいな部分も大きい。
失敗しても、土産話ができるくらいの気持ちでいるのが
精神衛生上、よろしいかもしれない。