愛と勇気と勉強の物語 1時間目
「カツンカッカ・・・シャキーン!」
森の奥の少し開けた土地で、剣を交えるときの独特の金属音が聞こえる・・・。
「はい、ルートの負けぇ~」
「あぁー、やっぱお父さんは強いや!」
剣を交えていたのは、青い瞳をした2人の親子であった・・・。
「よし、今日はここまでだな。」
流れた汗もそのままにして剣具を片付けている。
「父さん!先に帰ってて!」
もう夜に近づいている。
「どうしてだ?」
「内緒だよ、内緒。」
「母さんに怒られる前に帰って来るんだぞ?」
そういって父親は家路に着いた。
少年は何かを探しているようだ。
「ミリ?」
だれかが呼ぶと、木陰から少女が顔を出してきた。
「ついてこないでっていっただろ?ここはボクの秘密の訓練場なんだから。」
「え~、ダメっていうならみんなにばらすからね~」
少女は駆け出す。
「ちょっとまってよ!ミリぃ!」
全力で走ってが、彼女の足は早かった・・・。
失意のまま家のトビラに手をかける。
「ただいま~」
返事がない。
「ただいまー!」
家に入る。何かが違うような・・・?
太陽が沈んでいるのに、明かりは一切ない。
位廊下を進み、恐る恐るドアを開けてみた。
すると、床には母さんが倒れていた。
パニックになりそうな頭を懸命に抱え、あることにき付いた。
・・・父さんはどこだ・・・
「おい!待て!」
父さんの声がした。
声のするほうへルートは走った。
追いついた先は湖、この国でも有名な湖だ。
そこでお父さんは黒い服の男ときりあっていた。
「平鳳痕!」
父さんの剣技が黒服を切りつける。
が、黒服には利いていないようだ。
黒服は軽々と体制を立て直し、父さんを切りつける。
父さんは吹っ飛んで、地面に倒れた。
でも、このままじゃ父さんは・・・。
「ズサッ」
血が噴出した。
そして父の体は、完全に動けない体となった。
「父さぁぁぁぁん!!」
叫ぶと黒服はこっちを向いた
このままじゃ、ボクも・・・。
その途端、意識がうすれ目の前がマックラになった。
黒服はこっちに来ない。
そして雨が降った。
ながいながい雨。
雨の後に残ったのは、冷たくなった少年の体だけだった・・・。

