不登校には、子供の状態を見ていくつかの段階に分かれている。筆者のいた大阪教育委員会は、「予兆期」・「苦悶期」・「膠着期」・「回復期」の4つに区分していたそうだ。それぞれの時期にどのような対応すればよいのかまとめてみた。
①予兆期
本人の不安定さ表情の暗さ、居場所のなさである。家庭においては、起床が遅くなったり、表情がさえなくなったりする。また、体調不良を理由に登校しぶりがでる。このようなときに何もなければ「学校に行きたくない」と言っている子供は、本当は行きたいと思っている。しかし、つらいという気持ちを素直に出せない状態である。なので、無理をさせて学校に行かせてはならない。本人の体調やベースを尊重しながら関係をもついことが大切な時期である。
②苦悶期
本格的な不登校の始まる時期である。感情の不安定・葛藤が始まる。度々、体調不良が起こるようになる。このようなときに、「どうしたの?」・「何かあったの?」などといったことが強い言葉に聞こえ、自分を責めるようになってしまう。「布団から出られない」・「電話に出ない」といったことは一つのサインである。そこで傷ついた気持ちと受け止め、安心感を回復することが重要となる。安心を脅かさないこと、否定されないと思わせることがいちばん大切である。
③膠着期
動けそうで動けない時期である。一部分では元気になっているが、一歩踏み出そうとすると足がすくんでしまう。完全に自信は回復しておらず、チャレンジすることに極度に憶病になっている。なので対応を間違えると膠着期は長引くことになる。
なので、学校のことを持ち出さず、得意なことや好きなことに付き合うことから入るようにする。また、この時期は、波があり逆戻りすることもある。後退してしまったときは、休ませることが必要である。子供のペースを尊重するスタンスを崩さないことが大切である。
④回復期
①表情や気持ちや余裕や明るさが戻ってくると共に、外出や活動が増える。
②現実的な問題や将来の問題についてもできるようになる。
など前向きな変化が見られ始める。しかし、本人のペースを大事にしなければならない。元気になると、「これくらいならできるだろう」と学校のペースに合わせてしまいがちになる。そのために、子供に合った関わり方をして、少しずつ回復させることが大切となる。
最後に・・・
学校に行きつくために、絶対必要な存在が担任である。教室に入るためには担任とつながることが必要条件となる。しかし、担任1人に抱えることなく、学校全体で取り組むことを忘れてはいけない。
参考:子どもの問題をいかに解決するか 魚住絹代・岡田尊司 PHP出版