ノーベル文学賞を取ったのをきっかけに知った
ハン・ガンさん。
まずはこの詩集から読んでみた。
けっして明るくはないが暗いというわけでもなく
痛みと苦しみに寄り添いながら生きているって感じで
読むほどにだんだんと滲むように沁みてくる。
平易な語句の組み合わせだからか心に沁みてくる。
現代の欧米の詩を読んだことはないけれど
それでも日本の詩に近いような気がして
そうだとすると東アジア的な感性っていうのは
やっぱりあるような気がする。
この詩集に収められている詩をみんなで読んで
それぞれの好きな詩の感想を語るっていう集まりをしてみたくなる。
ぼくがいいな好きだなと思った詩。
血を流す目 2
ヒョヘ――二〇〇二年冬
だいじょうぶ
自画像――二〇〇〇年冬
回復期の歌
序詩
繊細であるが故に
切実な痛みと苦しみを抱え続けているが
それと向き合って寄り添って受け入れている感じがする。
それが諦めなのか弱さなのか
あるいは強さなのかはわからない。
けれども共にこの時代を生きる同志のような感覚になる。
ーー引き出しに夕方をしまっておいたーー
ハン・ガン
きむ ふな/斎藤真理子 訳