羊と鋼の森 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

初めて読ませていただく作家さんの作品。

 

丁寧で素直な物語。

 

駆け出しの調律師が

自分の求めるものに気づき

成長していく。

 

もちろんそこには

個性豊かな先輩たちや

依頼人

ピアニスト

たちとの交流での気づきっていうのがある。

 

それから

ほのかな恋ごころにも似た

出会いっていうのも。

 

ちょっときれいすぎるけど

こころを洗う物語としては

これでいい。

 

ところで

ピアノの調律って

ひとつの正解があるわけじゃないんですよね。

 

これってきっと人工知能やロボットには

まねのできない領域の仕事なんだろうな。

 

とはいえ

たぶん現実の調律師の仕事っていうのは

熱意や探求心だけでは支えきれない

経済的な不遇っていうのがありそうなんだけどね。

 

好きな仕事っていうのは

えてして収入とはトレードオフの関係だったりする。

 

まあそこのところを描いてしまうと

こんなきれいな物語にはなりえないわけで

そこはもちろん

ファンタジーとして素直に

羊と鋼の森

を歩いてみるのがいいのだろう。

 

 

 

--羊と鋼の森--

宮下奈都