月みれば         大江千里 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

月みれば ちぢにものこそ 悲しけれ

わが身一つの 秋にはあらねど


大江千里






新年 あけまして おめでとうございます。


年のあらたまった今日という日に秋の悲しいうたで恐縮です。


TPOなんて知らぬ存ぜぬどこ吹く風で、今年も張り切ってスタートしたいと思います。


秋の月はもちろんうつくしいのですが、そもそも冬は空が澄んでいて、だから冬の月だってうつくしいに違いないのです。


けれどもあまりに寒すぎて、月のうつくしさを鑑賞する気持ちにはなかなかなれない。


ただそれだけで、冬の月は日陰に追いやられるのです。


さらに、月にはやさしさとともにかなしさの印象がつきまといます。


もしかしたら、月自身は、夜にフィーバーしたいときもあるかもしれませんが、地上のひとの期待にこたえるために、やさしさとかなしさの演技をしてくれているのかもしれません。


もちろん月はぼくのものでもあなたのものでも誰かのものでもありません。


そして、現在のひとのものでも、過去のひとのものでも、未来のひとのものでもありません。


同じ月を古今東西みんなが見ている。


それぞれがそれぞれの気持ちを抱えながら。


ちなみに今宵は新月。


ちょうどきりよく、月も今日からあらたなスタートをきります。


さて、どんな1年になりますやら。


ことしも1年、よろしくお願いいたします。