厭な夢 | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

ここのところ、なぜだか夢をまったくみなくなっていた。


起きてみる夢もさることながら、眠っているときでさえ、夢をみることがなかった。


今朝、起きる前に、ずいぶん久しぶりに夢をみた。


とても厭な夢だった。


なぜそんな夢をみたのかはなんとなくわかる。


原因があるからだ。


原因というのは、仕事上の懸念。


まあ、懸念の内容はさておき、厭な夢の話である。


職場の同僚が集まって河川敷でバーベキュー・パーティーをしている。


ぼくもみんなも楽しく過ごしている。


昼の集まりだったのだが、盛り上がったので、このまま夜も続けようということになる。


バーベキュー・パーティーをしていた場所が、ちょうど上司の自宅の前だったのだが、夜の部は、上司の自宅でおこなうことになった。


上司の家の広いリビングに同僚たちは移動し、そこで宴が続行される。


夜も更けてきて、たのしい宴もだんだんと落ち着いてくる。


そろそろ片づけはじめて宴もお開きにするタイミングかな、と考えていた次の瞬間。


上司の知人たちがどやどやと宴に加わってきた。


ええーっ、いまからーっ? と心では思うものの、上司の知人ともなればむげに追い払うこともできない。


ホスト然として機嫌をとりながらお相手をする。


知人とはいっても、上司自身もどうやらそのひとたちのことをこころよくは思っていないようで、いつの間にか自宅の奥へ引っ込んでしまっている。


リビングには同僚と上司の知人たちだけが残っている。


宴も終了間近であったため、食べ物も飲み物もまばらになっている。


そんななか上司の知人のひとりで、スーツ姿ではあるが髪を何かで固めたチンピラ風の中年男が、氷はないのかな? と大声でわめいた。


ぼくが、ああそうなんですよもうそろそろお開きですからね、というようなことを答えると、そのチンピラ風の中年男は、おれは氷がほしいんだよ! としつこく要求する。


上司の知人の機嫌を損ねるのもどうかと考え、ぼくは、わかりましたいまから買ってきます、といってリビングから出た。


リビングのドアを閉めた後、おもわずぼくは、ちょっとは遠慮しろよ! と聞こえよがしにひとりごちた。


それが聞こえたのか、ドアの向こうのリビングから、チンピラ風の中年男の、なんだと! と怒鳴る声が聞こえてきた。


それを無視してぼくは上司の家の玄関を出る。


氷を買いに行く道すがら、ぼくは、さきほどの自分の言動を反省する。


おとなげないことをしてしまったあんなことをいってもなんにもならないのにまだまだぼくも修行が足りない。


ふだん、努めて冷静であろうとし、理不尽な目にあってもひとを攻撃することは避けようと考えているぼくではあるが、よもや夢の中の、こんなにささいな恨みのことばでさえも、発言した後に後味が悪くなって反省している、ということになんだかどっと疲れた感じで。


そんなふうな、厭な夢であった。