歴史に疎いぼくだけど、日本史だって世界史だってあてずっぽうで試験をやりすごしてきたぼくだけど、この作品はおもしろかった。
さすが三谷幸喜さん。
彼の手にかかればどんな素材もポップでおしゃれに仕上がるのだね。
そもそも清須会議っていうのが何かも知らなかったぼく。
書店で猛烈にプッシュされており、映画化の豪華俳優陣の顔写真のカバーにつられてつい買ってしまった。
ぼくにわかるのは織田信長と明智光秀と羽柴秀吉くらい。
柴田勝家、前田利家、黒田官兵衛、寧、お市は名前を知っているくらい。
その他のひとは初めて目にするお名前だった。
なのになのに。
どうしてこんなにたのしいの?
信長が光秀に本能寺でやられたのち、愛知の清須で行われた後継者選びの会議の5日間を描いている。
それにしても、
天正十年六月二日 朝
燃えさかる本能寺本堂における、
織田信長断末魔のモノローグ(現代語訳)
って何?
モノローグの現代語訳?
この発想がユニーク。
書いたもん勝ちじゃないか!
モノローグだけでなく、議事録とか日記とかをことごとく「現代語訳」と称して生き生きとした内容に仕上げている。
文庫のカバーの俳優陣の顔写真が気になったので、誰が誰の役なのかをあらかじめ調べてから読んだのだけど、おかげでまるで映画を観ているようなイメージで読めた。
役所広司さん、大泉洋さん、小日向文世さんなんかは、ばっちりイメージと役柄がはまる。
佐藤浩市さんは合ってるのかな? 映画じゃどうなんだろう?
鈴木京香さんは、すごそうだな。
まあ、それにしても、三谷さんの作品ならではの会話劇(モノローグ中心だけど)がエキサイティングだった。
たのしみながらなんとなく歴史が学べたような、そんな気がする作品だった。
これぞ娯楽!
――清須会議――
三谷幸喜