養老天命反転地 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

2年越しの希望が叶い

ようやく辿り着きました。


養老天命反転地。


岐阜県の養老にあります。


養老の滝の近くね。


現代美術家の荒川修作さんと

詩人のマドリン・ギンズさんの構想による

実験的なアートプロジェクトだそうです。


2年前の新日曜美術館で紹介されていて

行ってみたい、こういうの好き

って一目惚れ。


体験型のオブジェが立ち並んでいて

ひとつひとつのオブジェに哲学的な意味づけがされていて

そういうのに弱いぼくは惹きつけられたわけです。


で行ってみると

なるほど。


いい場所だな。


いろんなオブジェを

眺めたり

なかに入ったり。


ところが

全体としては興味深かったものの

思っていたのとちょっと違う。


あとで落ち着いて考えたら

2年前に映像で観たときよりも

樹木がうっそうと繁っていて

全体像が見えにくかったような。


そういえば

148本もの回遊路が張り巡らされている

というものの

樹木に邪魔されてまともに回遊できるルートは

限られてしまっていたしな。


それに

たどり着けなかったオブジェもあるし。


でもね

それ故に違った感懐に浸ることもできました。


恐怖。


すり鉢状にくり抜かれた庭園である

楕円形のフィールド

でうっそうと繁る樹木のなかをさまよい歩きながら

すり鉢の端を眺めると

まるでぼく自身が囚われた囚人のような気分になりました。


砂の女

で捕えられた教師のような。


あるいは

不思議の国のアリス。


迷い込んだこの庭園のなかで

このまま朽ち果ててしまうのではないかという恐怖。


まあこんなこと言ってますが

すり鉢の端から見下ろした濃尾平野の広がりとか

どこまでも広がる空の青さとか

難しいこと抜きにはしゃぐこどもたちの声とか

デートを楽しむ男女の笑顔とか

そういうのを全部ひっくるめて

幸福な空間でしたよ。


それにしても

どこにも平面がないので足元が常におぼつきませんでした。


運動神経に著しく不安のある人は

訪れるのをやめておいたほうが良さそうです。


あと

訪れるなら緑の濃い季節は避けたほうが

良いようです。