かわいそうなはなびら | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

PCの不具合を口実に

ブログやら何やらを

なおざりにしつつ

おざなりにしつつ

4月ももう折り返し地点。


なおざりとかおざなりとか

使おうとするたびに

立ち止まらずにはいられない

ことばってあるよね。


たいていが

ほうったらかしで

いい加減な言動のぼくだから

どちらを使っても間違いにはならない

なんて誰にとも知れぬ言い訳を述べたところで

わざわざ難しそうなことばを選んで

自滅しなくてもいいのにね。


テレビでチャンネルを

ぴっぴぴっぴ

換えるのをザッピングっていうけれども

本でそういうことをすることは

なかなかないと思う。


なんだか試してみたくなったので

試してみた。


癖になると困るけど

これが結構たのしい。


谷崎潤一郎さんの細雪で

柔らかい美文に清潔な人情を感じ


島田雅彦さんの僕は模造人間で

乗りに乗って人を食った気分に興奮し


ニーチェさんのこの人を見よで

過激ながらも真摯な生命の躍動感を垣間み


芥川龍之介さんの地獄変で

簡潔かつ明瞭な表現の粋に酔いしれ


川上未映子さんの乳と卵で

不思議と引き込まれるリズム感に高揚し。


いろんな作家さんの

いろんな文章を

つまみ食い的に読んでみると

誰かと誰かが似ている

なんて感じることがないくらい

それぞれの特徴が際立っている。


なにげなく

音楽を聴いたり

映画を観たりしていると

しばしば

誰が作曲したとか

誰が監督したとか

知らなくてもなんとなく想像して当たることがあるが

文章でももしかしたら

作者の名前を伏せて読んでみたら

当てることができるかもしれない。


作家さんにも

文体にこだわる人とそうでない人がいるらしいけど

いかに当人がこだわっていなくても

文章に作家さんの特徴があらわれるのではなかろうか。


ぼくも多くの日本人と同様に

さくらが好き。


葉桜にもそれなりに味がある。


散り際も悪くない。


けれども

落ちてアスファルトに積もった

桜の花びらが

人や車に踏みつけられて

だんだんと薄汚れていくさまをみるのだけは

なんだかとても痛々しくて

目を背けたくなる。


桜の花の墓場にふさわしいのは

どこだろうか。