口語訳 古事記 〔完全版〕 メモ(神代篇 其の二) | (本好きな)かめのあゆみ

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其の一 イザナキとイザナミ - 兄妹の国土創世 はこちら


其の二 アマテラスとスサノヲ - 高天の原の姉と弟


イザナキから生まれた

アマテラス(天照大御神)

ツクヨミ(月読命)

タケハヤスサノヲ(建速須佐之男命)。


アマテラスは太陽神で姉。

ツクヨミは月の神。

タケハヤスサノヲは弟。


イザナキは

アマテラスに高天の原を治めさせ

ツクヨミに夜を治めさせ

タケハヤスサノヲに海原を治めさせようとする。


けれども

タケハヤスサノヲはなぜか納得せず

なきわめく。


イザナキは怒ってタケハヤスサノヲを追放する。


イザナキは

追放されることを姉のアマテラスに報告しておこうと

高天の原に向かう。


それを知ったアマテラスは

タケハヤスサノヲが高天の原を奪いに来るのではと恐れ

男の姿になって臨戦態勢で弟を待つ。


スサノヲが邪心はないと告げてもアマテラスは信用せず

ウケヒ(神意を伺うための呪術的な行為)

を行うことになる。


アマテラスはスサノヲの剣から

三柱の女神を吹き成す。


スサノヲはアマテラスの玉から

五柱の男神を吹き成す。

この中に

マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミ

(正勝吾勝勝速日天之忍穂耳)

も含まれる。


それぞれが吹き成した子は

それぞれの物実(ものざね)によって成されたものだから

五柱の男神はアマテラスの子

三柱の女神はスサノヲの子

とアマテラスの独りよがりな主張により

別けられる。


そこでスサノヲは

しなやかで美しいタワヤメ(女神)を生み成したのだから

自分に邪心がないことは明らかだと主張し

アマテラスの一方的な不信への腹いせに

アマテラスにいろいろと嫌がらせをする。


おびえたアマテラスは

とうとう天の岩屋に閉じこもる。


太陽神であるアマテラスが

天の岩屋に閉じこもってしまったせいで

高天の原も葦原の中つ国も闇に覆われ

わざわいがことごとくに起こり広がる。


困った八百万の神々は相談し

オモヒカネ

というかしこい神に考えてもらった。


オモヒカネは考えて

天の岩屋の前で

アメノウズメというシャーマンに踊らせて

神懸りの大さわぎを演出。


ちなみに

このときに用いた小道具

鏡と玉は

後に天皇家の三種の神器となる。


見事に成功し

外の大さわぎを聞きつけたアマテラスが

うっかり策にはまって岩戸のうちから歩み出たところを

アメノタヂカラヲという力の強い神が外に引き出す。


そして再び

高天の原と葦原の中つ国が光に包まれる。


そしてスサノヲは再び追い払われる。


アマテラスとスサノヲのやりとりは

まさにミステリでサスペンス。


天の岩屋のシーンは祝祭的で

かしこく陽気で楽しい。


明るいエロスも根源的。


ひとつひとつの場面が

それぞれにセンセーショナル。


インスピレーションの源泉。


アマテラスが女神だったっていうのは

あんまり意識したことがなくて

新鮮だった。


アマテラスの正当性と

スサノヲの真実は

謎を残したままだ。


神々はあまりにも無邪気で

ある意味では問題行動も多く

厳格さとは程遠いが

親近感が湧いてくる。




其の三 スサノヲとオホナムヂ - 文化英雄の登場

に続く。 









-口語訳 古事記 〔完全版〕-

訳・注釈 三浦祐之