特に印象に残った本 2010 | (本好きな)かめのあゆみ

(本好きな)かめのあゆみ

かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

あらためて

1年間の読書を回顧してみると

冊数は少ないけれども

内容はバラエティに富み

充実していたと自画自賛しておきます。

 

 

 

今年最高の1冊

 

 

 

 

なんて簡単には選べませんので

 

特に印象に残った本について

記します。

 

 

 

★特に印象に残っている主人公は

 

 

 

サン=テグジュペリさんの

夜間飛行

に登場する

郵便飛行会社の支配人

リヴィエール。

 

渋いです。

 

仕事に対する深い愛情ゆえに

物凄くシビアで厳しいです。

 

ぼくなんて誰からも悪く思われたくないので

 

ついつい甘い妥協を認めてしまいますが

リヴィエールは馴れ合いを許しません。

だから苦悩も多いですが

それでもやり方は変えません。

 

その徹底ぶりが印象に残っていて

 

しばしば

こういうときリヴィエールはどうするだろうか

なんて想像したりします。

 

 

★何故か印象に残っている脇役は

 

 

川上未映子さんの

ヘヴン

の主人公の少年の母親。

 

厳しい物語の中にあって

 

淡々としたなかに溢れている

母性というかやさしさみたいなものが

気に入っています。

 

 

★色々と考える材料を提供してくれた作品は

 

 

マイケル・サンデルさんの

これからの「正義」の話をしよう

いまを生き延びるための哲学。

 

正しさに結論なんてありませんが

 

粘り強い対話の大切さを

再認識させてもらいました。

 

今年は「正義」と「悪」についての

 

議論が目立ったように思いますが

「正義」と「悪」は

光のあたり方が違うだけで

同じものだと思います。

 

 

★最も美しい物語は

 

 

坂口安吾さんの

夜長姫と耳男

桜の森の満開の下。

 

愛おしくなるような

 

美意識

が詰まっていて

もっと早く読んでおきたかった

そんな作品です。

 


★最も甘い物語は

 

有川浩さんの

阪急電車。

 

初めての有川浩さん作品でしたが

 

噂にたがわぬ「ベタ甘」で

読みながら甘酸っぱい思い出が

噴出してきました。

 

今年は今津線でロケも行われ

 

来年映画が公開だそうで

それも観に行きたいです。

 

 

 

ぼく以外には誰の役にも立たないような

 

 

 

そんな感想でしたが

読書なんて

極めて個人的な経験ですもんね。

 

そういえば

 

今年は

国民読書年

だったんですよね。

 

来年ももっとステキな

 

本のまほう

にかけられますように。