わたくし率 イン 歯ー、または世界 | (本好きな)かめのあゆみ

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かしこいカシオペイアになってモモを手助けしたい。

厳しい批評も多数あり

いかがなモノかと

思いつつも

気になっていた作家の1冊。


で、

好き嫌いは分かれるでしょうが

ぼくは

好きです。


最初は

前評判から警戒していたのもあって

読みづらく


奇を衒っている

だけなのかな

と思いながら読んでいましたが

我慢して続けていくと

途中から惹き込まれてしまいました。


物語に

というより

主人公の思考の波に。


技術的な巧拙は

よく分かりませんが

今後も

これらのテーマにこだわって

書き続けていただけると

さらに洗練されてきそうで

楽しみです。


まったく表面的な部分ですが

このまとまりのない口語体は


サルトルの

水いらず

を読んでいるときの

いらいら感に似ているように

感じました。


いや

サルトルと通じているなんて

いうつもりは

毛頭ございません。


そういえば

どなたかが

批評で

へヴン

について

ドストエフスキーを

引き合いに出していたのには

驚きました。


あ、そうそう

この口語体

やっぱりあれです。


大阪人が集まった会議の議事録を

テープ起こしさせられたことがあるんですが

あの感じです。


喋り始めと

途中と

喋り終わりの

内容が変わっている感じ。


そもそも

喋り終わらずに

延々と

次の話題に繋がっていくんですが。


途中で勝手に文章を

程よい長さにまとめたくなる

衝動を抑え

意地でも喋っている通りに

文章化してやりました。


いや

大阪人が全て

こんな感じではありませんよ。


-わたくし率 イン 歯ー、または世界-

川上未映子