こんにちは。奈良田隆です。
今回はスペインの「メスキータ」について書いていきます。

 



メスキータは、スペイン語でモスクを意味する言葉ですが、一般的にスペインのアンダルシア州コルドバにある「聖マリア大聖堂」を指すことが多いです。

この大聖堂は、1984年に世界遺産に登録されています。
メスキータは、同国に現存する唯一つの大モスクとのこと。

785年、当時はイスラム教のモスクとして建設がスタートしました。
その後カトリック教徒が権威を振るい、1236年に礼拝堂やカテドラルが新設され、メスキータは2つの異なる宗教が同居する珍しい建築物となったそうです。

およそ200年もかけて造られた、世界最大級のイスラム寺院。
イベリア半島でしかお目にかかれない、ムデハル様式という独特の建築様式で建てられています。
それだけでも価値がありそうなのに、異なる宗教が融合しているのも凄いですよね。

メスキータに足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、赤と白の二重構造のアーチです。
このファンタジックで美しい空間は、礼拝の間です。

ここは「円柱の森」という別名もあり、ヤシの木が並ぶ森のような錯覚を覚えるそう。
メスキータ全体が間接照明を使っているため少し薄暗く、それも相まってより幻想的な雰囲気を醸し出しています。

二重構造のアーチは、赤いレンガと白い石灰岩を組み合わせて造られているのだとか。
メリダにある、ローマ時代の水道橋をモデルにして造られたそうです。

アーチを支える柱は、1本1本材質や意匠が異なるとのこと。
これは、建設費用を切り詰めるため、様々な場所から集められたローマ神殿の大理石柱などをリサイクルしたためと言われています。

785年に造られたものが、今でもこんなに美しい状態で残っているって本当に凄いですね。

礼拝の間から少し行ったところに、「ミフラブ」というイスラム教徒たちの祈り場があります。
黄金に輝くくぼみには、繊細な装飾が施されており見事です。
マスクラと呼ばれる金と青で装飾された、八角形のドーム天井には、草花やコーランの文字がびっしりと刻まれているそう。

ミフラブの左手へ進むと、キリスト教徒のためのサンタテレサ礼拝堂の宝物殿があります。
天井はとても高く、壁も白くて明るい雰囲気です。
ここではイスラム要素が無くなり、壁には宗教画が飾られているそうです。

異なる2つの宗教文化が共存する建物として、人々を惹き付けるメスキータ。
一度この目で見てみたいですね。