22. オマケの「大きさ」

 先に大きさはプラスマイナスの総和であると言いましたが、正確には、一次的な大きさだけでなく、次に(後で)得られるであろう二次的三次的なプラスやマイナス阻止(オマケ)の総和まで勘定に入れる必要があります。仮に、一次的な利益は後手で小さくても後のオマケが先手で大きくなる場合など、トータルとしての大きさを較べて着手を選択します。

 更に、オマケは地や石数の多寡による単純な大きさに止まらず戦いに利するオマケとなるとかなり想像力を鍛えないと理解不能の大きさとなります。つまり、オマケの分野では含みや味が多い高度なオマケを作り出せるほど碁が強くなります。例えば、「両桂馬逃すべからず」は双方の模様や勢力の境界点であり、後々の制空権の違いが大きいのです。

 有利な条件で戦えるといろいろと副次的なオマケが付きます。囲う手間が少なくて地を得られたり、戦っている間についでに尻尾を捥ぎ取ったり、後々の寄せが先手になったりしますので、戦いの直接利益よりオマケとしての間接利益が大きくなるのが狙いになります。このオマケは寄せが分かりやすいのですが。攻める戦いを選択できると望外なオマケをえられることが実感されます。相手のオマケが大き過ぎる場合などはそれを拒絶する為に一手備えることになりますが、結果的には相手の手を先手に昇格させたことになります。